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案内
覚が椅子に座るとスーツ姿の女性が話し始めた。
「本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。皆さんをこれからある施設へ案内し、それぞれの敵性を見せてもらいます。不安に思う方は今ここで降りて頂いてかまいません。降りる方はいらっしゃいますか?」
バスに乗った覚を含めた3名は誰も降りようとしなかった。皆、不安よりも好奇心が強いのだろうと思った。
続けて女性は話し始めた。
「降りる方はいらっしゃらないようなのでこのまま目的地に向かわせて頂きます。その前にまずアイマスクをして頂きます。」
覚はアイマスク⁉︎と驚いた。今まで好奇心が勝っていたが、目隠しをしてどこかの施設に連れて行かれる⁉︎これは絶対に危ないやつだ。そう思った。
その時、一緒に座っていた1人の男性が
「アイマスクっておかしくないですか⁉︎なんでそんなのする必要があるんですか⁉︎」
と、怒鳴った。
すると案内人の男の1人が怒鳴った男性を問答無用でバスから降ろした。
残った2人はあまりの衝撃に何も出来なかった。今の出来事の説明もないまま、アイマスクをつけられバスは出発した。