表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギルドライバー“ハヅキ”  作者: 今井亜美
第八話 名探偵“ゆみみ” ~浴衣と花火とモンスター~
57/162

二章 女子高生、生まれてきた意味を考える


「えーなんで!? バナナに味噌をつけて焼いたらちょっと美味しそうでしょ!?」

「思わない……絶対不味い……」


 いや、どんな会話!?

 え、てか、違う! 嘘でしょ!?

 なんで凛音さんも当たり前みたいに会話に参加してるわけ!?

 凛音さんも知り合いだったの!? どんな繋がり!?

 ジム? ジムなのか!? 最近の女子はみんなクライミングをやっているのか!?


「あはは……凛音は甘い物好きですからねー……」

「葉月……何度も言うけど、家事なら私に任せてくれればいいから」

「なにさ、なにさ! みんなして人を馬鹿にして!」


 あー……なに? この……なんだ、これ?

 私の前で、知り合いだった筈の女子、四人(知っているのは三人だが)が笑顔で会話している。

 そう、知り合いだった、筈だ。さっきまでは。

 なのに、どうしてだろう?

 今は全く知っている人に感じない。


 結局、私が知る彼女達など、些細な、上辺だけの、薄皮の様な物に過ぎなかったのだろうか。

 いや、そもそも私の認識がおかしかったのかもしれない。私が感じていた親密さは彼女達には全くなくて、私などただの、『よく話す人』程度に思っていたのかもしれない。

 彼女達に悪気はない。全ては勘違いした私が悪いのだ。 


 そうだ、思い上がってはいけない。

 所詮は、私なんて地味な女。路傍の石ころ。モブキャラの一人。

 誰かにとっての重要人物になんて、どうあがいてもなれない、人間の屑。


 お父さん、お母さん。教えて下さい。私は何のために生まれてきたのでしょうか。


「────葉月、そろそろ行かないと。映画が始まっちゃう」

「あれ? もうそんな時間? じゃあ菫さん、凛音さんごめんね! そろそろ行かなきゃだから」

「あ、はい! お二人共、また明日!」


 ……あした?


「うん、明日の夏祭りでね!」


 ……夏祭り?


「花火楽しみですね! 先輩たち、浴衣着ますか?」


 花火。浴衣。

 私……私、聞いてない。


「時雨は着るんだよね?」

「うん。葉月も着るんなら、着付け手伝うけど……」

「凛音はどーする?」

「浴衣……持ってない」

「そーゆう時はレンタルもあるよ! この後一緒に見に行く?」


「……楽しそうですね」

「? ゆみみ、どーしたの?」


 菫さんが不思議そうにこっちを向く。

 本当に何も理解していなさそうな能天気な表情に、胸の奥から沸々と怒りが湧いてきた。


「楽しそうですね……夏祭り…………私のいない夏祭り……!」

  

「あれ? あー……そっか、ゆみみは誘って……あ! じゃあ、ゆみみも参加する?」

「馬鹿にしてるんですか!? 行きませんよっ! どーぞ皆さんで楽しんできて下さいね! 私、お邪魔みたいですし!? あっちであんみつ食べてるんで! それじゃ!」


 ふんっ!

 別に、悲しくなんてないし。私もみんなと一緒に浴衣着て花火見たいなんて思ってないし!

 私みたいな女は一人であんみつ食べてるのがお似合いですものね。

 だから、もうどんなに誘われたって……絶対に……ぜーーったいに夏祭りなんて参加しませんからっ!?




…… 翌日 ……




「あ! ゆみみいたー! 一番乗りだね! うんうん、浴衣似合ってるよー」

「うるさいっ! バカっ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ