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KAKUYO2  作者: 四季
73/521

私の願いは ◇

2020.4.4 に書いたものです。

貴女は特別な存在

強く生きなさい


お母様は言ったわ そんなことを


君は特別な存在

運命に負けず生きろ


お父様は言ったわ そんな風に


だから私

どんなに辛くとも挫けずに

前だけを見て

勇気を抱いて歩いてきた


けれども結局 何も成せずに


ただ終わりを迎えることしか できなかったの


お母様のもとへ生まれたこと

お父様の子として生まれたこと

後悔してはいないわ


ただ


それでも

時には願いたくなることもあるの


穏やかに生きてみたかったと


貴女は特別な存在

強く生きなさい


お母様は言ったわ そんなことを


君は特別な存在

運命に負けず生きろ


お父様は言ったわ そんな風に


けれども私は

そんな言葉が欲しかったわけではないの


ねぇ お母様

ねぇ お父様


久々に顔を合わせる前に

私の願いを聞いてくれる?


あのね


私の願いは


三人で穏やかに暮らすことだったのよ

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