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さようなら、愛おしい人 ◇
2021.5.14 に書いたものです。
あなたと手を取り合えた時は
とても嬉しくて
幸せに生きてゆけると
強く信じていた
けれどもその幸せは
ただの幻と
気づいたのは
いつのことだったか
あなたの心に在るのは
あなたの瞳に映るのは
決して私ではなくて
あなたはもう私を見てはいないのだと
本当は気づいている
あなたは何度も私を傷つける
あなたは何度でも私を裏切る
それでも
どうしても離れられなくて
だから
あなたが「終わりにしよう」と言った時
少しだけ救われた気がした
悲しいことだけれど
あなたがこの関係を断ち切ってくれたことが
少しだけ嬉しかった……
さようなら
あなた
さようなら
愛おしい人




