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逆逆逆 ◇
2021.3.5 に書いたものです。
何でもない朝
ぼんやりしながら起き上がって
小さく漏らす溜め息が
新しい朝を彩る
つまらない日々
変えてしまうような
奇跡を待ちながらも
ありふれた毎日
変わりゆくことを
さりげなく恐れている
歯ブラシを握り
その持ち手の透明感に
いつか落としてきた
幼き日の瞳を思い出す
忙しい日々に
別れを告げて
旅立ちたいと漏らしつつも
今という毎日に
背中向けることを
さりげなく恐れている
変わらない日々の中で
変わりたいと嘆き
変わり果てた世界の中で
変わりたくなかったと嘆く




