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数多の命 ◇
2021.3.4 に書いたものです。
かつて愛した人を
かつて愛した国を
護るために生きた
数多の命があった
いつか消える魂に
想いを告げたなら
今と違った現在も
あったのだろうか
来た道を遡るほど
悲嘆は鮮明になり
この胸を突き刺す
絶望が道を塞いで
誰も通しはしない
そんな風に述べる
遥か昔愛した人を
遥か昔愛した国を
護るために散った
数多の命があった
誰もがいつの日か
消えゆくと知って
それでもなお強く
何より眩しく輝く
星のように生きる
数多の命があって
誰もがいつの日か
散りゆくと知って
それでもなお強く
折れることもなく