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いつか見た空 ◇
2021.2.25 に書いたものです。
海辺に寝そべって
見上げた空は
水を張った水槽のように
美しかった
ここに在るものはすべて
永遠ではないのだと
そう語りかけているかのような
光をまとっていた
どうしてこんなに美しいの?
なぜこれほど眩しいの?
問いかけても
問いかけても
きっと答えは返ってこないけれど
それでも心は満たされて
瞳には光が宿り
特別な気分になれる
そんな気がする
誰もが気楽には生きてゆけない
そんな時代の中で
穏やかに過ごす日々を
噛みしめるたびに
いつか見たあの空を思い出して
不思議な気持ちになる