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この胸を ◇
2021.2.8 に書いたものです。
ただ触れるだけで
溶け去ってしまう
悲しみの海に沈む
雪の結晶のように
どのみち消えてしまうなら
どのみち溶けてしまうなら
最初から気づかなければ良かった
そうすれば
そうすれば
悲しみなんて生まれなかったのに
悔しさだけが
この胸を
埋め尽くして
ゆくのです
いつも
昨日も今日も明日も
触れられない辛さ
募るばかり
虚しさだけが
この胸を
塗り潰して
ゆくのです
いつも
朝も昼も晩も真夜中も
触れられない切なさ
降り積もるばかり
いつになれば触れられるの?
溶かしてしまわずに




