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帰宅の鐘が ◇
2020.12.2 に書いたものです。
帰宅の鐘が鳴り出す頃
影に似た君が現れて
僕に向けて手を差し出す
夕暮れの後のような手を
帰宅の鐘が町中に響きわたると
影に似た君が微笑む
僕に向けて差し出したその手は
新月の日の夜空みたいだった
君と初めて出会ったのは
いつだっただろう?
もうずっと前のことだから
すっかり忘れてしまった
君と知り合ったのは
いつのことだっただろう?
もう何年も前のことだから
かけらほども思い出せない
帰宅の鐘が鳴り出す頃
影に似た君が迎えに来る
それがいつの間にか
僕の日課になっていたんだ
書いたのは今です〜。