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闇に生まれ落ちた命 ◇
2020.10.16 に書いたものです。
何も見えないような闇に
生まれ落ちた命
光など目にすることはなく
ただ身体だけが
大人というものへと向かってゆく
闇しか知らず育ったなら
光という夢はみない
ただ暗闇の中を歩き
ふと空を見上げ
微かな色を捧ぐ星を探す
寂しい
そんな感情は
生まれなかった
切ない
そんな想いは
芽生えなかった
何も知らない方が幸せなのだと
誰かが言ったけれど
それはまさに真実であるのだと
その命が証明している
月もない夜に山道を歩くこと
それすら怖くはない
生まれながらそこにいたなら
恐ろしさなど感じはしない
何も見えないような闇に
生まれ落ちた命
何よりも強く逞しく
闇の中で
生き続ける
最近はその場でさっくり書くブームです。