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KAKUYO2  作者: 四季
294/521

紅の華 ー夏ー ◇

2020.10.15 に書いたものです。


あの夏に目にした


紅の華


傷から滴り落ちる雫のような


艶やかな色をしていた


とろけるような口づけを


ふと思い出させる


大人の香りを漂わせていた


紅の華


その大人びた匂いに


深い意味はなく


生まれながらにして


持っていたもの


生まれながらにして


まとっていたもの


溶けるように暑い夏の


かすみつつある記憶の中に


今でもそっと残っている


紅の華


その花弁の一つを


そっと手のひらに乗せれば


大人の女性のような香りが


辺りを包む


夏は遠い顔に消えても


記憶が消え去るわけではない


あぁ


今はもう懐かしい


紅の華


その花弁を


手のひらに乗せることも


もはやできはしない


あぁ


今はもう時の海に沈んだ


紅の華

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