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KAKUYO2  作者: 四季
276/521

明日は花火大会だね ◇

2020.9.25 に書いたものです。

「明日は花火大会だね」


君がそう言って

僕に絡んできた


誰かと話をするのは

新鮮だけど

器用に言葉を返せなくて

もしかしたら君に

少し不快感を抱かせたかもしれない


もしも不快感を抱かせていたら

ごめんと謝るよ


君のことを傷つけたいわけじゃないし

君に嫌われたいわけでもない

ただ少し器用になりきれないだけ

本当に

ただそれだけだったんだ


そもそも

花火大会なんてものを知らなくて

だから

上手く話に乗れなかった


ごめんね


悪気があったわけでは

ないけれど


ごめんね


何度でも言うよ


「明日は花火大会だね」


そんな言葉を聞くたびに

君のことを思い出す


あれからもう十年が経って

君と僕は別々の道を歩き出した

それなのに今でも

ふと君のことを思い出すんだ

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