237/521
嵐 ◇
2020.8.19 に書いたものです。
今宵また訪れる嵐が
窓枠を揺らして
雨粒と枯葉を打ちつけながら
通り過ぎてゆく
そんな中で夜を明かすこと
それにももう慣れた
まだ初々しかった頃には
風雨に怯え
布団の中に隠れて
やり過ごしたこともあって
でも
今はもう
そんなことはしない
逃げも隠れもせず
ただ
乱れ荒ぶる夜が
通り過ぎるのを待つだけ
今宵もまた
嵐が古びた窓枠を揺らす
肝が冷えるような音を立てながら
勢いよく通過してゆく
それでも
何も恐れはしない
もはや
何かを恐れることはない
その果てにある
嵐が過ぎ去った後を夢みながら
今はただ
逃げも隠れもせず佇むだけ