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KAKUYO2  作者: 四季
214/521

episode.0 ◇

2020.7.29 に書いていたものです。

この命が幕開けた日

呆れるほどの大雨だった


父はおらず


母もまたすぐにどこかへ行き


気づけば

逃れられぬ檻の内に

この身は置かれていた


私はどこにいる

私は何をしている


なぜその場所にいるのかも分からず

ただ一日を生きる


私がなぜここにいるのか

私はなぜ一人なのか


何も分からず

ただ心臓の鼓動だけを重ねてゆく


憐れみの目を向ける者はいても


救いの手を伸ばす者はいない


残酷なことを

そう口にする者はいても


この闇から

私を救い出す者はいない


どんなに美しい面を持っていても

天使ではなく

所詮人は人でしかないのだと

夕暮れに絶望するばかり


もし


この生まれが少しだけ違っていたなら


ふとそんなことを考える時

化け物じみた姿の私に芽生えるのは

小さな心の欠片


だが


この定めから逃れることはできない


逃れるには

何もかも遅すぎた


もはや

この闇から抜け出す方法は一つ


ただそれは


人であることから

抜け出すということと同義

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