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KAKUYO2  作者: 四季
178/521

貴方の携帯電話の色 ◇

2020.6.27 に書いたものです。


貴方の携帯電話の色

今でも覚えているわ


女が塗るリップみたいなピンク


不思議だったの

なぜ貴方がその色を選んだのか


ある時ふと貴方に尋ねてみた


「どうしてその色なの?」


すると貴方は笑って


「大切だった人が選んでくれたものなんだ」


笑顔が心を突き刺し

柔らかな声が胸を裂く


所詮ニセモノでしかないのだと

知ってしまった気がして

何も言えなくなってしまい

その場から去った



貴方の携帯電話の色

今でも記憶にあるわ


女性の唇みたいなピンク


ずっと謎だったの

なぜ貴方がその色にしたのか


ある時ふと聞いてみた


「どうしてその色にしたの?」


すると貴方は曇りのない笑顔で


「共に生きていた人が選んでくれたものなんだ」


笑みが腕を思考を貫き

優しげな声が脳天をかち割る


所詮その程度でしかないのだと

突き付けられた気がして

言葉など一つも出てこなくて

体調不良のフリをして逃げた



本当はもっと

真っ直ぐに見つめるべきだったのかもしれない


できるならもっと

真剣に話を聞くべきだったのかもしれない



でも


できなかった


所詮

ニセモノだと

所詮

その程度でしかないと


その真実を見てしまいそうな気がして……

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