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KAKUYO2  作者: 四季
176/521

今日雨が降りました ◇

2020.6.24 に書いたものです。

今日雨が降りました

とても懐かしい光景です


もう百年が経ちましたが

こんな雨を見るのは久々です


石畳を叩く雨粒が

新しい時代の幕開けを告げています

世は変わり

人々もまた変わる時が来たのだと

そう話します


そういえばあの日も

こんな雨降りの日でしたね


軒下で雨宿りする若者の中に

あなたの姿を見た日

今でも思い出すことができます

鮮明に思い出せます


今日雨が降りました

とてつもなく懐かしい光景です


あれから百年が経ちましたが

ここまでの雨を目にするのは久しぶりです


窓枠を撫でる水滴が

新たなる時代の始まりを告げています

世は変貌し

人々もまた岐路にたどり着いたのだと

そう話すのです


そういえばあの夜も

こんな雨降りの夜でしたね


窓際で涙を流す人が

あなただった夜

今でも思い出すことができます

とてつもなく鮮明に思い出せるのです


百年に一度だけ

この街には雨が降ります


それが今日でした


次の雨はいつでしょうか

それまでには

再びあなたに会えるのでしょうか

一人窓辺で

空に尋ねます


この願いが叶うことは

ないのかもしれないけれど


それでもどうか


またいつの日か

会いに来て下さい

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― 新着の感想 ―
「今日雨が降りました」から続いていく世界観に、とても惹きこまれました。 懐かしさと切なさを伴いながら、語りかけるような、そして問いかけるような言葉がとても心に響きました。ラストも印象的です。読ませて…
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