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誰しもが ◇ / 月と夜 ◇
一つ目は 2019.3.27、二つ目は 2020.5.14 に書いたものです。
文字数の加減で二作まとめる形になりました。
誰しもが 貴女と同じではない
誰しもが 貴女と同じ強さではない
それでも生きている弱き者に
なぜ刃ばかりを 向けようとするのか
悲しみを生み 心を傷つけ
果たしてそれが 真実の優しさか
今一度問うが良い
己の胸に 己の心に
ーーー
鏡の向こう側に
きみを探す
この身映し出す面の向こうに
きみの姿を探す
前の新月の夜
蝶のように去っていったきみ
目覚めるたびに思い出す
もう一度抱き締めさせてほしいと
今宵は満月
けれどもいずれは無へと帰す
日を追うごとに
月は欠けていつかは闇に隠される
一番幸せだった夜に
かき上げたきみの金の髪が
時が経つほど鮮明に
この脳裏に蘇り心を掻き乱してゆく