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KAKUYO2  作者: 四季
115/521

仮面 ◇

2020.5.10 に書いたものです。

仮面の下の素顔を見せて

あなたがそう言った春の日

わたしはこの心の仮面を

外そうと考えて努力したわ


でも

できなかった


仮面の下の素顔を見せて

あなたがそう頼んできた夏の日

わたしはこの心の仮面を

外そうと思って懸命に努力したわ


でも

やっぱり無理だった


あなたも素顔でなければ

フェアじゃない


あの秋の夕暮れ

あなたは言ったわね

わたしに

覚えてはいるの


でも

できなかった


わたしだって欲しかったわ


誰にでも無垢に微笑みかけられる顔

誰にでもすべて晒し出せる心


でも

どうしても無理なの


そのうちに冬が来て

わたしとあなたは離れる

行かないで

そう言って引き止めるつもりでいたのに


今はもう

何を言っても届かないでしょう

それでも

もしもあなたに何か告げられるなら


同じ素顔でなければ

フェアじゃない


そう告げても構わないかしら


美しく輝くあなた

皆から愛されるあなた

何もかも手にしているあなた


そんな風になれないから

わたしは仮面を外さないの


いいえ


どうしても外せないの


悲しいことね

ほんの少しの違いがわたしたちを引き裂いた


哀れなことね

ほんの少しの誤解でわたしたちは別れた


手を取り合う道があれば

たとえ仮面を外さなくても

見つめ合い

明日へ行けたかもしれなかったのに

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― 新着の感想 ―
[良い点] >美しく輝くあなた 皆から愛されるあなた 何もかも手にしているあなた そんな「あなた」に相応しくある為に「わたし」は努力する代わりに「仮面」をかぶってしまったのでしょうか。 主人公には、…
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