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遺書  作者: 麦茶
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はじまり

 ですが僕はあと一歩を踏み出すことができません。


 肌触りの良い縄も買いましたし、手頃な踏み台も揃えました。


 首に縄をかけ、後は踏み台を蹴飛ばすだけなのですが、それがどうしてもできないのです。


 最初、心の奥底でやっぱり怖がっているのかと思いましたが、少し違うことに気がつきました。


 本当に死んでもいいのか、僕はまだ納得できて無かったのです。


 だったら納得できるまで生きてみようか、とも思いましたが僕にとってそれは非常につらいことなのです。


 ならどうすればいいのか、と必死になって考えました。


 考えて、考えてやっと思いで答えを導くことができました。


 それは他の誰かに僕が死ぬ理由を分かってもらうということです。


 僕は一度だけ知人に「もう生きたくない」とこぼしてしまったことがありました。


 その知人は僕のことをよく知っていたので「そうか、なら仕方ないね」と言ってくれることを期待してました。


 しかしそれは、全くの検討違いでした。


 知人はその言葉を聞くと血相を変えて僕を叱り始めました。


 後にも先にもあれほど怒っているところを僕は見たことがありません。


 それが、全て僕を思ってのことだと僕は分かっていました。


 だからいい友人も持ったものだ、と少し悦に浸ったりしましたが、彼が僕を止めてくれたのは、僕が彼の友人だからと気がつきました。


 誰だって知人が死ぬのはつらいものです。


 かくいう僕も知り合いには死んで欲しくはありません。


 なので僕は知人でも友人でもないあなた方に、納得をして欲しいのです。


 何を勝手なとおっしゃるかも知れませんが、意志薄弱な僕には自分で見切りをつけられないのです。


 僕はこれからなぜ僕が我が身を天へ捧げるのかを記していきます。


 そうやって「ああ、なら仕方がない」と理解して欲しいのです。


 そうしてもらえると僕はあと一歩を踏み出せます。


 これは正真正銘僕の遺書なのです。














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