旅行に警報はねーよな
ナギ式さんとの共同作品です。
これは大学生活2回目の夏の話だ。
高校から一緒の友人、武と孝と一緒に旅行をする事になった。
行き先は北海道。
3人で話し合った結果、近畿から東北までバイクで横断しフェリーに乗って北海道へいくと言うことに決まっていた。
初日は晴れていた空が段々と暗くなり始めてきた。
暖かだった風が今は吹き付けるように当たり、それでも進み続けた末、無理だと判断した俺たちは雨から逃げるように、近くの定食屋に入った。
そこは、地元の人しか知らないような食堂で海鮮が売りの店だった。
その食堂に入った俺たちは取り敢えず近くの席に座った。店の中は、店主が一人いるだけで、カウンターとテーブル席があるものの店内は広くなく、町の食堂という印象だ。
孝)「いやー、それにしても凄い雨だね。本当に助かったよ。」武)「雨が急に振りだすなんざついてねーよな。せっかくの旅行なのによー。」
俺)「まぁ何にせよ店に入ったんだし、何か温かいものでも頼もうじゃないか。スイマセーン!」
俺)「何か温かいものありませんかね。なにぶん風に当たっていたもので体が冷えてしまって。」
店主)「うちは海鮮料理がメインなもんで、すぐにお出しできるものが、お吸い物位しかないですが。それに夏だしねぇ。」
武)「じゃーそれ3つくれよ。体が冷えるといけないからなるべく早くよろしく」
店主)「はぁ。解りました」そう言って彼は厨房へと入って言った。
「えー次のニュースです。記録的豪雨がただいま観測されています。川氾濫など危険ですので外を出歩かないようにしてください。なおこの雨は3日続く模様です。繰り返します。記録的豪雨がただいま観測されています。川氾濫など危険ですので外を出歩かないようにしてください。」
食堂に設置されたテレビから聞こえてくる。
武)「なぁこの後どうするよ」
孝)「どうするって言ったってこの雨がさらに強くならない内に近くの宿を探した方がいい。」
武)「はぁ?探すと言ってもこの雨じゃムリだろ!あーもうクソが!最悪だよぉぉぉ!」
俺)「店主のおっさんに近く宿がないか聞いたらいいんじゃね?」
我ながらいい提案だと思った。
武)「あぁそうだな。取り乱してすまん。」
店主)「はいよ、、お吸い物。」
武)「すみません。この近くに宿はないですかね。僕らバイク旅の途中で雨が降ってきてしまって泊まる所が無いんですよ。」
店主)「あんちゃんたち、バイクで旅行かーおじさんも昔、君らのように友人たちとバイク旅したなぁー懐かしい」
俺)「あのー近くの宿教えてくれませんか。、、、」
店主)「んぁー?ワルいワルい、思い出に浸ってしまったよ。所であんちゃんたち、宿っていってたけど、この雨じゃ外に行くのはアブねぇ宿じゃねーがうちに3日、4日泊まっていくか?」
孝)「そんな、、、、」
武)「マジか!?おっさんいいやつだな。いや~助かったぜ!」
店主)「それなら取り敢えずバイクを今私が使っているガレージに移さないとな!流されたら大変だろう?」
孝)「置ける場所が有るんですか?ありがとうございます。」
武)「止めてもらえるだけじゃなくバイクまで!おっさん太っ腹だな!」(
店主)「何てったって私もバイクが好きだからね。同じ仲間のよしみってやつさ。」
店の裏手にあるガレージにはカワサキのニンジャが止められている。とても古い型だきっこれが店主のバイクだろう。俺たちはその隣にバイクを止めた。
そして俺たちは、店に戻ると暫くはテレビを見て、ゆっくりしていた。暫くすると厨房から一人の女性がでて来た。
店主の奥さんということだった。
女将)「夕食はいつ頃召し上がりにますか?」
もうそんな時間なのか。
俺)「なら今からって出来ますか?お前らもいいよな!もうお腹がペコペコで」
女将)「わかりました。何かアレルギーや苦手なものなどはない?」
孝)「いえ、ありません。」
そう孝が答えると女将は厨房に引き返していった。暫くして出て来た料理は美味しく、もっと繁盛してもいいと思える程のものだった。出て来た食事に舌鼓を打っていると、先程の女将さんが、「お食事がお済みになりましたら皆様を部屋に案内します。」そう言って側を離れていった。
武)「いやーここは最高だな。雨が降った時は最悪だと思ったがこうしてうまい飯にありつけたのだから結果良かったってことだな!」
俺と孝はこの単純な言葉に少し笑いつつも残りを食べた。
階段を上がってすぐの部屋に案内された。その隣が店主達の寝る部屋で何か困ったことがあればいつでも訪ねていいと言うことと、廊下の奥に本や雑誌がつまれた今はもう使かっていない部屋があるから、その向かいにトイレがあることを教えてくれた。
俺達が部屋に入ると、直ぐに、武が「いやー食った食った。そうだ、今何やってるのかなー」といって高校野球を見ていた。相変わらずのんきな奴だ。
俺)「取り敢えず今日は泊まらせて貰える事が出来たので良かったんだが、流石にされっぱなしと言うのは嫌だから、何か返せないものだろうか?」
すると
孝)「ならここは一つ手伝いでもしないか。ここの食堂だってこの雨で色々困る所もあるだろうし。」
俺は成る程と思った。確かに手伝いはいい方法だと思う。
俺)「なら明日の朝申し出て見ればいいか」
孝)「だね。そのためにも今日はもうそろそろ寝た方がいいだろう。」
そう言うと彼は布団を敷き始めてた。俺も武に寝るように言った後、疲れていたのか皆すぐに寝てしまった。
しばらくすると俺は何だが無性にトイレに行きたくなり目を覚ました。
部屋を出ると真っ暗で相変わらず雨の音が外から聞こえて来ていた。
時折なる雷の音に少し怯ながら恐る恐るとトイレに向かった。そしてトイレを済ませ緊張が少しずつ熔けていき、スッキリとした気持ちでトイレを出たら。ボソボソと何やら声が聴こえるような気がした。
雨の音もあり良く聞き取れなかったが、気のせいではない事だけはわかった。
それが他の部屋ならまだしも使われていないと言っていた本や雑誌で封鎖された部屋から聞こえてきたのだ。
「ご**ね**した****け**、、、」
途端に怖くなって急いで部屋に戻った
きっと気のせいだろう。そう願いたい。
もし、明日も聞こえたらアイツらにも相談しよう。そう思ってその日は気にせず眠りに就いた。
企画案 Unknown_staff
キャラ案 ナギ式
ストーリー ナギ式
修正 Unknown_staff