第2話
ピーピピピピピピピピピピピピピ・・・
ん?朝か。
窓からは明るい日差しが俺の顔に直接差し込んでおり、おかげで目が冴えてきた。
ん、んあぁ~っと、、なんだここは...?
まだ頭はボーっとしてしているがわかってきたことがいくつかある。
一つ目
ここには俺の私物がたくさんある。
机にベットにゲーム機、漫画にパソコンあとエアコンまで。
まるで引っ越しをしたみたいだなぁ。
二つ目
窓の外を見ると信じられないような光景が広がっている。
ただでさえ、目が覚めて知らない場所に連れて来られただけでも驚きなのに、それに加えて鎧着込んだおっさんとか、杖片手に持ち歩くお姉さんとかマジやばすぎなんですけど?!
ガチャ
「アッすっご~い、自分で起きられるようになったなんて成長したね」
「ハハ、そんなに褒めなくてい、、いや冗談です!そんなクズを見るような顔やめて!?」
というか、とうとうノックすらせずに入ってきたよこの妹。
「さあ早く下に降りて、みんなが待ってるよ」
みんな...??誰のことだ?
「タッキーおはよー!!」
「おはよう翔」
「はよー」
「えっ、なんでお前らがここにいるの?!」
奥姫 冷奈
いつも元気な女の子。幼稚園に入る前からの幼馴染で今も同じ高校で生活している、、、いや、していたか。
成績もそこそこ良く男女含めて人気も高い、まぁ平たく言えばモテていたんだろうなぁって感じかな。
石神 厚輝
成績優秀スポーツもできる俺の知る限り一番の努力家。
あとクール。
厚輝も奥姫と同じ時からの仲で、あと謎が多かったりもする。
その一つが、、なんで俺と同じ高校通ってるの?!
お前頭いいんだからもっと上の高校受験できたはずだよね!!
一緒の高校に通えると聞いたときは確かに嬉しかったけど、学力全然違かったはず。
とまぁ、本人に聞いたがはぐらかされたので問い詰めるのはあきらめた。
田中 有次
中学からの仲である。
ぶっちゃけこいつが一番の謎である、存在が。
友達になんてことを思っているんだ、とか思った人たちへ有次の将来の夢を聞かせてあげよう。
(俺は将来、魔王をこの手で倒して見せる!!)
はぁ~い、ゲームのやりすぎですね。
成績はドがつくほどの底辺、、というかよく一緒の高校は入れたなってレベル。
高校受験では同じ教室で試験を受けたが、鉛筆が転がる音を絶え間なく聞いたが、これを有次が原因であったかは不明である。
「あれ、理華ちゃんにまだ説明受けてないの?」
コクリ
「そっかぁ、私たちはタッキーの助っ人みたいな感じかな、て言っても正直私たちもそんなに説明されていないから詳しいことまではわからないけどね」
「じゃあみんな魔物とかと戦うとかの話は聞いたんだ」
コクっ
「そっか、みんな妹の頼みを聞いてくれてありがとう」
みんな危険な世界だとわかっていて来てくれたんだ。
ほんとにありがとう。
「翔、そんなに頭下げなくても大丈夫だよ、みんな自分で決めたことなんだから。それに俺たちにもそれぞれ理由はあるんだ。例えば、この世界に住みたいーだとか、誰かさんは翔と一緒にいたいだとか」
「アッキー何を言っているのかな?!!も、もちろん私はこの世界に興味持ったから来たんだけど~...。」
チョンチョン
(理華ちゃん?どうしたの??)
(この世界ではあたしは兄とは別に血縁関係ではありませんからもしかしたらライバルになるかもしれませんね♡)
「理華ちゃーん?!!」
「俺もこの世界に興味持ったから来たんだよ~。まあこの世界でもよろー(笑)」
「ん?奥姫でも有次でもないということは、まさか俺と一緒にいたいと思ってきたのはお前か厚輝?!」
「確かにお前と一緒にいたいというのは本当だ。俺はいま皆に宣言する、ライバルとしてこの世界で俺は勝つ!!」
「あ、ああ」
俺こいつに勝てる所なんて一つもないぞ...。
いきなりライバルといわれてもな。
(え~!!理華ちゃんに続いてアッキーまで私にライバル発言?!これからどうしよぉ...)
とまあこんな感じに俺たち異世界転移してから初の会話は、一部大きな誤解を交えた結果となった。
この後、理華からこの世界のこと今後どうするかの話があった。
まずはこの世界のことから。
この世界の名はオルゲイン。
国は三ヵ国で、俺たちがいる国は他の二ヵ国に比らべ治安の良い国、名をウィッシュガザー。
領土もそこそこ広く人口も多め。
他国に比べて治安がいいのは比較的、近隣の魔物の強さが弱いこともあって生産職や冒険初心者、教育学校などが多いらしい。
そして今後の話
「皆さんには、学校に行くための入学試験を受けてもらいます。」
「へー、いつ?」
「明日」
『あした?!!』
それはいくらなんでもムチャすぎませんか?!
「というわけで、今から町に出て必要なものをかき集めましょ~う」
というや否や、理華は玄関の扉を開けて歩き出したため、俺たちは意見も言うことなく黙って理華についていくことしかできなかった。