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様子見に徹しているような骸骨に対して、あえて足を踏み出したシャオ。
その動作が、骸骨には気に入らなかったようだ。
刀があっという間にシャオに牙を剥く。
ひとなぎした刀が真上を向いたとき、
靴のつま先だけがくるくると空を舞い、力なく地面におちていく。
ぱっくりと空いた靴先を、そこから指が覗くさまを骸骨は、空っぽになった眼窩からのぞいている。
骨となった身体ですら染みついた動きに移ろうとして、
骸骨は全く動けなくなっていた。
「わざわざ、ご高説聞いていただき感謝するわ」
手元に握った符を手綱のように握りしめるシャオ。
「おかげさまで、策を練ることができたもの」
骸骨の四肢を縛り上げる呪符。
右足を引き抜こうとして、左手が絡まっていく。
その逆もしかり。
もがけばもがくほど、結び目のようなものが複雑に絡み合い、解けなくなっていく。
「こうなっては、足運びも難しいものね。すべては、私の手綱次第」
両手でそれぞれ握る呪符を締め上げると、骸骨があらぬ格好にねじれていく。
決着はもう、ついていた。
「おとなしく、この地で私の糧になりなさい」
さらに引き絞ろうと、呪符を引っ張ったとき。
握った手の窪部分が引き連れたようにいたんだ。