第9話
「ふひひ」
いかん、抑えろ抑えろ。
「ぐふふ」
ダメだ! まだ笑うんじゃない。
「彼、大丈夫かい?」
「マスターならいつものことだから、商人殿は気にしなくていいよ」
「そ、そうかい」
「マスター……」
「ドゥフフ」
☆☆☆
「そろそろ街が見えてくるぞ」
「おっ、どれどれ」
荷台で立ち上がると街道の先で人だかりが見えた。
「げっ! もしかしてあれ順番待ちか?」
「いや、そんなはずはないよ。こんなに混んでるのは、すごく大きな商隊が来た時しか知らないね」
「じゃあ、そのでかい商隊が来たのか?」
「いやいや、それこそ、そういうのは何日も前から準備するからね。さすがに噂くらいは耳にするよ。この人達は多分、難民だね」
「難民……」
「うん、戦争とか飢饉で生活できなくなった人たちだね」
「街に入れてもらえないのでしょうか」
「いや、難民は普通、街には来ないんだ」
「え? なんでだよ」
「畑がないからね。大抵が農民だから土地を耕せないと生活できないんだ。だから普通は新興の開拓村を目指すか、大人数ならそれこそ自分たちで開拓村を立ち上げたりするね」
「では、あの方達は?」
「どうしたんだろうね? 何かあったんだろうけど」
「さっきのゴブリンと関係があるかな?」
「ああ、それはあるかもね。開拓地を目指してるところにゴブリンと出くわして、助けを求めて近くの街にって感じかな」
「なるほどねー。じゃあ、このお子様ももしかしたらあの難民の一員なんじゃないか」
「この子のご両親があの中に居られるかもしれないのですね」
「いるかもね」
まあ、正直なところ興味はない。
それよりも今は、ガチャだっ!
明日の更新はーーーーーーーありま・・・・・・すん