第8話
それが合図であったかのように、ワラワラと緑色した子供のような背丈の怪物が出てきた。
「あれがゴブリン?」
子供の頃、漫画で見た餓鬼みたいだ。
手足が細くて腹だけポッコリと膨らんでる。
顔は人に近いが、全体的につり上がっていて般若の面のようだ。
小さくツノと牙がある。
「醜悪な面してるな」
「なんで君はそんな悠長にしてられるんだ!」
「ゴブリンくらいで大袈裟だな」
馬車の上で商人さんと世間話だってできるぞ。
なにせ数が多いだけの雑魚だからな。
☆☆☆
「はあああああああ」
青白く剣先が光を放って、ノエルの斬撃が飛ぶ。
密集しているゴブリンに斬撃が衝突すると、数匹のゴブリンを巻き込んで弾ける。
「ふんっ!」
ベルントが大楯を掲げ空めがけて大きく跳躍する。
頂点でポージングをキメ、大楯を下にして落下する。
加速しながら落下する大楯は衝撃波を起こし、地面へと着弾する。
その威力は凄まじく、木々をなぎ倒し地面を大きくえぐるほどだった。
☆☆☆
「あらかた片付いたかな」
「ベルント様さすがです」
「はっはっはっ、なに肩慣らしさ」
ベルントの白い歯がキラリと光ったように見えた。
ちっ! イケメンがっ!
「いやー君達すごいねー」
馬車の上から飛び降りる勢いで、商人がノエル達に駆け寄る。
「商人様」
「え!? な、なんだい?」
「あの子のことなんですが……」
傷だらけだった子なら、俺の横で寝てるぜ。
「あ、ああ。とりあえず街まで送り届けよう。そのあとはさすがに憲兵に任せることになるけど」
「あ、ありがとうございます」
「い、いや。さすがにここに置いてはいけないからね。ハハハ」
その時、俺に電流走る。
あの商人、さては惚れたな。
「まったくこんな小さな子供に欲情するなんて変態だな」
「マスター、それはさすがに失礼だよ」
「わかんねーぞ。この世界じゃ当たり前かもしれねーだろ」
「はっはっはっ、それノエルには言っちゃダメだからね」
ちっ! ウッセーな。上半身裸のくせに。
「反省してまーす」
「はっはっはっ」
夕方の更新はーーーーーありま・・・・・・すん