表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチのギルマスが完全にヒモ  作者: 名称未設定
15/19

第15話


「集めた薬草はポーションおババのとこに持って行ってくれ」


 何だよ、ポーションおババって。

 ひどいあだ名つけるな。

 現代社会ならイジメ案件だぞ。


「すみません。そのポーションおババとは?」


「ああ、知らねぇのか。薬草からポーション作ってる錬金術師のおババがいるんだ」


「錬金術師様ですね」


 おっさんがボードから紙を一枚剥がす。


「この依頼書を持っていけ。店の場所も書いてある」


「はい、行って参ります」


☆☆☆


 ノエルが帰ってきたところで、おっさんの店でささやかだがお祝いすることにした。

 おっさんの店は夜間営業が始まると、いわゆる常連と呼ばれる連中で席が埋まる。

 そのため、俺たちは中二階にあるソファー席に追いやられてしまった。

 こっちの方が高級そうなんだが、常連はこっちの席を使わない。

 おっさん一人でやってる店だから、こっちの席は注文したものを運んでもらえない。

 自分で取りに来いと言われるので常連ほどカウンター席に座るらしい。


「はあ」


「はっはっはっ、何か悩みかいマスター?」


「筋トレなら間に合ってるよ」


「はっはっはっ」


 依頼が無事完了したことで、少しだがお金を手に入れた。

 当分は細々した依頼をこなして、金を稼ぐことになりそうだ。


 十円のような銅貨数枚を手でいじる。

 潰れていたり、欠けていたりで古銭のようになってる。


「この金が使えたらなぁ」


「何にですか?」


「ガチャに決まってるだろ」


「召喚石が必要なのですよね? お金で買えるのですか?」


「買えるけど買えない」


「よくわからないですね」


 くそっ、コンビニがあれば。

 G○○glePlayカードが買えるのに。


「お金の代わりになるカードがあるんだ。それを使えば召喚石を手に入れられる」


「なるほど、さすがはベルント様です。そうだ! お金の代わりになるカードでしたら、ポーションおババ様がお持ちでしたよ」


「何!?」


☆☆☆


「ギルドカード?」


「はい、おババ様は錬金術師のギルドマスターでいらして、ギルドマスターは特殊なカードをお持ちなのです。初め依頼料をカードから支払いするとおっしゃられて、詳しくお聞きしました」


 要するに電子マネーだな。

 この場合、魔術マネーか。


 ギルドを作るにはギルド協会に申請する必要があるらしい。

 申請が受理されると、ギルドカードが発行される。

 このギルドカードは、正規のギルドである証なんだが、付随する機能として金銭のやり取りがある。

 ギルド同士の場合、扱う金額が大きくなることがあって、大金を持ち歩くには硬貨は不便なんだと。


 そこで、協会を仲介に使う。

 協会にお金を預けておけば、カードをかざすだけで決済が完了する。

 この場合、電子マネーと違って物理的に硬貨が移動するらしい。

 ファンタジーな力技だ。


 ちょっと微妙なところだが、可能性はあるな。


「ギルドを作ろう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ