2日目 その一
すごいスローペースですいません。
少し書き方が変わってしまったかもしれません。
日の光が青年の上に落ちる。
時刻は6時45分頃を指している。
陽光は青年の意識を刺激し、青年は目を覚ました。
いつものように窓を開ける。今日も昨日に引き続き快晴のようだ。
昨日の猫の姿が見えないが、職務放棄でもしたのだろうか。
代わりに、見慣れない三毛猫が家の塀で寝ている。
青年は少し残念に思う。
人の言葉を喋る猫に対し恐怖するのは初めの内であり、言い換えてしまえば猫との意思疎通ができるのだ。
ただでさえ癒されるのに、かわいい言葉で話されもすれば、その効果は凄まじいものである。「にゃあ」も捨てがたいのだが。
猫との会話を諦め、窓を閉めた。
いつものようにニュースを聞きながら支度をする。
最近の流行、アイドルの情報が淡々と流れ出す。
それは青年にとって無関心の類に属するものだ。
青年は家を出る。
いつもより早めに学校へ向かっている。それは昨日父に聞こうとしたことをもしかしたら末田は知っているのでは無いか、と考えたからである。
一昨日の雨の気配はもう見えない。
分かれ道を左へ、大きな通りに出たら国道沿いに真っ直ぐ。
2年目ともなると慣れた道だ。
線路に沿って駅に向かう。
もう少しで到着、というところで不意に自動販売機が目に入った。
今のうちに、何か買っておくか
青年は自動販売機の前に立ち、手探りで財布を取り出す。
薄い財布から100円玉を2枚取り出すと、炭酸飲料を買う。
飲み物を取り出し、お釣り入れに手を入れる。
すると、硬貨4つだけが入っていると思っていた青年の手が紙に触れた。
疑問に思った青年が紙切れを取り出す。
紙切れには汚い字でこう書いてあった。
ほんじつ から かんし は こうたいせい です
全部が平仮名だと読みづらい。
青年は頭をひねる。そして閃く。
あ、交代制か。
どうやら、猫はいなくなったのではないようだ。
朝の猫はブチ柄の猫と交代した猫だったのだろうか。
紙のメッセージは裏にも書かれていた。
なお、きのうの やつ は がっこう で ねてます
いちいち思考することになる文章に青年は頭を抱えた。
この先もこんな手紙しか送ってこないのだろうか……。
さらに10秒ほど頭をひねる。そして閃く。
どうやら、昨日の猫は学校でスタンバイしているようだ。
学校での昼寝に味をしめてしまったのだろうか。
気になって後ろを振り返ると、朝の猫がいた。
どうやら電車での移動で騒ぎが起こったことを気にしての猫又なりの配慮のようだ。
「なぁ、お前は話せるのか?」
青年は監視役の三毛猫に尋ねる。
にゃあ、と猫は鳴く。
どうやら、この猫は猫又の魔法にはかかっていないようだ。つまりは喋れないのである。
喋らない普通の猫。それが普通だというのに、青年は喋れないことに対して落胆の気持ちを覚えつつあった。
青年は駅に向かう。
今日も空が青く澄み渡り、爽やかな風が街に吹き渡る。