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遅れてすみません。忙しくて投稿できてませんでした。
今回みたいに投稿する日があくかもしれませんがなるべく早く投稿するつもりですので温かく見守っていただけたら幸いです。
俺とジェシーは『黄昏の夕闇』を談笑しながら敵を探していた。
「ジェシー、ここで出てくる敵って知ってるか?」
「ごめん、分からない。でも、強い敵が出てくると思うよ」
どうやらジェシーも何が出てくるのか知らないようだ。ならもっと警戒していかないといけないな。
まぁ、いざとなれば一撃で倒せばいいだけだ。
でも、ウッドパペットみたいな敵が出てきたらちょっと厳しそうだけどな。
「そういえば、ジェシーのスキルレベルは上がっているのか?」
「それもそうだね、ちょっと確認してみようか」
俺たちはレベル上げはしたが、確認をしていなかったことに今更ながら気付いて、確認することにした。
これが今の俺のスキルレベルだ。
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装備スキル
【鎌】Lv.10 【身体強化】Lv.5 【回避】Lv.15 【気配察知】Lv.17 【腕力上昇】Lv.4 【跳躍】Lv.1 【土を掘る】Lv.1 【隠密】Lv.7 【高速思考】Lv.5 【引っ掻く】Lv.1
控えスキル
【体当たり】Lv.1 【遠吠え】Lv.1
固有スキル
【デス・サイズ】【必殺】【影魔法】Lv.1 【暗黒魔法】Lv.1 【カウンター】【透過】Lv.1 【神眼】Lv.2
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おぉ~。結構上がっているな。
というか、固有スキルでは【神眼】しかレベルが上がってないが、俺って一回でも使ったっけ?
使った覚えがないんだが…
よし、気にしないことにしよう。
【高速思考】はあのゴブリンの集団と戦った時に使っただけなのに4レベルもあがっていた。
というかここだけの話、固有スキルのほとんどは忘れていた。
ジェシーと別れて、ソロに戻ったときに色々と試していこうと思っている。
「ジェシー、どおだった?」
「うん、結構上がっていたよ」
ジェシーもレベルがたくさん上がっていて嬉しいのか、満面の笑顔を浮かべていた。
でも、気を引き締めないといけない。
何故なら…
「ジェシー、嬉しがっているところ悪いんだが敵が来ているぞ」
「え?何処から?」
俺は無言で空に指を指す。
「え、空から?」
「あぁ、どおやら鳥タイプのモンスターだ。それも3体」
「ど、どおしよう」
いや、どおしようってジェシーは何のために弓矢を持っているんだよ。それでも弓士か。
「いや、ジェシー落ち着けよ。ここはお前の見せ所だろ」
「わ、私が?」
「そうだ。弓で迎え撃て」
「ええぇぇぇ!」って言いそうな顔で驚いているが当然だろうが。
相手は空、俺は陸。俺が空中戦が出来るなら相手してやってもいいがここは弓を持ったジェシーに倒してもらうのが得策だろう。
「よし、頑張れ」
「…分かったよ」
ジェシーは何か言いたそうな顔をしたがそれでも納得できるのか何も言ってこなかった。
ジェシー、それがゴブリンの時に俺が味わった気持ちだ。
痛感したかい?
「右からだ」
「分かった」
俺がジェシーに敵が来ている方向を教えると、ジェシーは気持ちを切り替えて、弓矢を構えて、俺が言った方向に照準を合わせる。
と、俺の目でも目視出来るくらいの距離になった。まだ米粒くらいに感じる距離だが。
と、ジェシーは一発目を放つ。
放った矢は鳥タイプのモンスター、名前は分からないが鷹のようなモンスターの右翼に突き刺さった。
「ピョヤ!」
そんな気の抜けるような意味不明な鳴き声をあげて、そのモンスターは墜落していく。
俺がとどめを刺しに行こうか少し迷ったが、今行ったら他のモンスターに集中攻撃をされそうだったから行かないことにした。
ジェシーは仕留められなかったことに少し悔しそうな顔をしたが直ぐに気を取り直して、2発目を放つ。
今度の矢は真っ直ぐとモンスターの目に刺さり、ポリゴンと化して、消えた。
残りの一体となったが、もう距離もなくかったため俺がジェシーの前に出て、鋭い鉤爪で俺に攻撃してきたが俺はそれをカウンターで鎌で首を切り着けて、倒した。
ポリゴンと化して消えたのを確認して、ドロップ品が落ちていた。
ラッキー。
ドライイーグルの羽毛《素材》
ドライイーグルの柔らかい羽毛。布団などの素材として使われていて、もしこれが使われている布団で寝るとたちまち布団から出られなくなりダメ人間になってしまうだろう。
ドライイーグルの鉤爪《素材》
ドライイーグルの鋭い鉤爪。武器の素材としてよく使われている。
鉄なら容易く切り裂けるほどの鋭さを持っている。
【荒ぶる鷹のポーズ】
ネタスキル。
荒ぶる鷹のようなポーズを取れ、もし宴会などでやるとたちまちある意味での有名人になれるだろう。
さぁ、やってみよう!
「やかましいわ!」
思わず突っ込んでしまった。
俺がいきなり叫ぶからジェシーはビクッと肩を震わせて驚いていた。
だが、俺はそれが気にならずに続けて心のなかで突っ込み続ける。
何だよネタスキルって!絶対に必要がないだろうが。というか何でこのスキルの説明だけ少しだけちゃんとしているんだよ。
おかしい。絶対運営の頭はおかしい。
俺は絶対にしないからな、と思いながら一応ステータスを確認してみる。
固有スキル
【荒ぶる鷹のポーズ】
「ふざっけんなぁぁ!」
何故か固有スキルの欄に入っていた。俺は人の目も気にせずに叫んだ。
ジェシーが「大丈夫?」と心配そうな顔をして俺の様子を窺っていた。
今はこのジェシーの優しさが少しだけ心にしみた。
俺が落ち着くのに10分もかかった。
「大丈夫?」
「あぁ、もう大丈夫だ。ちょっと運営を恨んでいただけだから」
「何で!?」
ジェシーが驚くのも当然だと思う。
でも、ジェシーも俺と同じ立場になれば絶対に壊れ状態ジェシーさんになって運営に恨み言を言っているはずだ。
「本当に大丈夫だから。次に行こう」とジェシーに言ってジェシーと一緒に歩き始めた。
それでも、まだジェシーは心配そうにしていたが俺が先を歩き始めたため、軽くため息をついてから俺に小走りで俺の横にきた。
あれから30分くらい森の中を歩き回ったが敵と遭遇することがなかった。
「何故、敵がいない」
「さぁ?分かんないよ」
俺が呟くとジェシーは困ったような顔をして俺の呟きに答えてくれた。
でも、本当に何でいないんだ?
少しだけ、嫌な予感がしているが…俺の予感はよく外れているし、大丈夫だろう。
少しだけさらに警戒をすることにして、俺たちはさらに奥に進むことにした。
「もう少し、奥に行ってみよう」
「うん、分かった」
俺は周りにをキョロキョロと見ながらジェシーと一緒にさらに奥に行く。
この先に激闘が待っているとも知らずに。
さらに20分歩いた俺たちはセーフティーエリアについて、この先にあった『物』について話し合っていた。
「どう思う?」
「どうって…もうあれしかないでしょ?」
「だよなぁ…」
「アリエスは何個持っている?」
「俺は3個しか持ってきていない。ジェシーは?」
「私は1個だけ」
俺たちは自分が持ってきた回復薬の少なさに、もう少ししっかりと準備をしておけば良かったと二人してため息をついた。
ちなみに俺たちの選択肢に『引き返す』と言うものはない。
「矢は?」
「あれから使っていないから残り46本」
「心もとないなぁ」
矢が切れた瞬間にジェシーはどうするのだろうか?
訊いてみると、
「一応、短剣を持っているからそれで応戦するよ」
いや、そういうけど、ちゃんとスキルは持っているのだろうか?
「まぁ、いまさら話していても仕方ないし、出来るだけのことはしようか」
「そうだね。頑張ろう」
俺とジェシーは死に戻りする決意をして、セーフティーエリアから出て、少し先にある巨大なドアを開ける。
その先で待っていたのは…大きな狼だった。
「ギャアオォォォォ!」
狼が咆哮をする。
「やるぞ!」
「うん!」
俺たちも負けじと気合いを入れる。
俺たちの始めてのボス戦が始まった。