表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ANOTHER WORLD  作者: てんくう
8/10

セーフティーエリアで休憩をとってから30分たち、俺たちはある程度のレベル上げを終えてから街に帰っている最中だった。


「いやー、やっぱりパーティを組んだ方が効率良いね」

「そうだな」


ジェシーがほくほく顔を浮かべながら俺にそう訊いてきて俺も同じ事を思い、それに同意した。


「だったらこのまま私たちパーティ組む?」


ジェシーがそう誘ってくるが俺は少しだけ考えてたあと、


「悪いな、それはちょっと断らせてもらうよ。たまになら良いけどな」

「そっか。残念だな」


そう言っている割にはジェシーは俺の答えが分かっていたかのように笑顔を浮かべていた。

それに、俺のジョブだとみんなに迷惑をかける可能性の方が高いからな。

俺のジョブはソロ向けなんだ。


「だったらこの後喫茶店に寄ろうよ!」

「良いぞ。行こうか」


ジェシーに食事の誘いを受け、それには了承した。


「でもその前に素材売って金を作ろうな」

「あ、そうだったね」


そう、俺たちは色々な物を買っていたため俺は100セル、ジェシーは200セルしか持っていないらしい。

コーヒーしか飲めないぞ。それでも俺は構わないけど、ジェシーが甘いものを食べたいらしい。


女性にとってはゲームの中なら甘いものをいくら食べても太らないからうれしいらしい。


ちなみに、このゲームにはまだ(・・)空腹システムは無いらしい。

いずれ、来るかもしれないとのこと。(周助が言うには)



街に着いた俺たちはどこか素材を売れる場所を探して、持っていた素材を武器と防具を作るため以外の物を全部売った。

俺は元々防具なんて作っても装備を変えれないから全部売りましたが。


結果、俺が1240セルになり、ジェシーは630セルになった。なんで俺だけ多いかと言うと、あのブラックベアーの素材が高く売れたんだ。


また、ジェシーが壊れかけたが俺がその前に対処をしておきなんとかならなかった。

どんだけジェシーは負けず嫌いなんだ。でも面白いからいいけどな。


そのあとはジェシーと一緒に喫茶店『スターリング』に入った。


「いらっしゃいませー!」


どうやら店は繁盛しているらしく、空いている席が2個しかなく、店員さんが世話しなく動いていて、猫耳の少女が俺たちの対応をしてくれた。


「では、空いている席にどうぞー!」


俺たちは空いている席に向かい合うように俺は座ろうと思ったのに何故かジェシーは俺の隣に座った。

しかし、俺は気にしないことにした。


「それにしても繁盛しているなー」

「うん、ここって美味しいって評判だからね。それにデザートの種類も多いから女性の客が多いでしょ?」


俺はジェシーに言われて、周りを見てみると確かに男性客より女性客の方が多かった。

割合にして2:8くらいだ。


と、談笑していると店員さんがメニューを持ってきてくれた。


「では決まりましたらこちらでお呼びください」


そう言って店員さんは近くの呼び鈴を示した。


「はい、分かりました」


店員さんが戻っていくのを見たあと、俺はメニューを開いて、俺はメニューの多さに驚いた。

だって、普通のランチよりデザートの方が多いんだよ。ビックリもするさ。


その中で俺は、意外とお金が入ったからデザートを食べてみようと思い、コーヒーとチョコレートケーキを頼むことにした。


「ジェシーは決まった?」

「決まったよ」


だったら呼び鈴ならすか。


俺は呼び鈴を鳴らして、少ししてから猫耳とは違う店員さんが来た。


「お決まりですか?」

「はい、俺はコーヒーとチョコレートケーキでお願いします」

「私は紅茶とスペシャルパフェをお願いします」

「承りました」


その後、店員さんは注文を復唱したあと戻っていった。


少しの間ジェシーと談笑していると、店員さんが俺たちが注文した品を持ってきた。

と言うかさ…


「デカくね!?」

「そうかな?」


ジェシーが頼んだパフェがものすごいデカイ。全長で1メートル半くらいあるんだが。

重量にして2キロくらいかな?


だが気にしているのは俺だけのようで、ジェシーはスプーンで食べ始めて、顔を蕩けさせた。


「うーん…delicious!」

「そんなにか?俺にも一口くれないか?」

「うーん、いいよー」


そう言って自分で使っていたスプーンで少し掬って俺の所に持ってくる。

ジェシー。気付いているのか?流石に指摘した方がいいんじゃ…


「もう、早く食べてよ」

「んぐっ!」


指摘しようとした矢先にジェシーが無理矢理俺の口のなかにスプーンを突っ込んできた。


「どう?美味しい?」

「あ、あぁ。美味いな」


ジェシーとの 間せ…おほんは気にしないことにして、スペシャルパフェを味わったが、普通に美味しかった。

ジェシーも俺の反応に満足して、また笑顔を浮かべてスプーンを自分の口に持っていき、もう少しでくわえるって所でピタッと止まった。


俺はそのジェシーの反応を不思議というか何となく察したけど気にせずに自分のチョコレートケーキを食べ始めた。

ジェシーの自業自得だしな。


「ね、ねぇ。アリエス。私、今何した?」


壊れかけたブリキのように緩慢な動きで隣に座っている俺の方にジェシーが向いてきた。

しかし、その顔には冷や汗が浮かんでいた。


「ジェシーのスペシャルパフェを少しわけてもらっただけだが?」

「そ、その…私のスプーンで食べさしたよね?」

「あぁ。そうだな」


俺が肯定すると、ジェシーはみるみると顔を赤くしていき、そして、


「あぁぁぁぁぁ!せ、生徒とか、かん、間接キスしちゃったよ~!」


せっかく黙っておいたのに、台無しじゃないか。

ジェシーは頭を抱かえて机に突っ伏くした。


少しの間ジェシーはそうしていたが、いきなり顔を上げると、


「うん。無かったことにしよう」

「良いのか、それで」

「いいの!」


無かったことにしようとしたジェシーに小声でボソッと呟いたが、聞き取られて食って掛かれた。

ジェシーが良いならそれで良いよ。


そのあとのジェシーの行動は早かった。

最初だけ食べるのを躊躇ったけど、勢い良く食べたあと、そのあとは「幸せです」と言いそうな笑顔を浮かべてスペシャルパフェをどんどん食べていった。


俺はその姿をコーヒーを優雅に飲みながら眺めていた。



「ふぅ~、美味しかった。満足です」


ジェシーはスペシャルパフェを食べ終えると笑顔を浮かべながら紅茶を飲んでいた。


「それは良かったな」

「うん、チョコレートケーキも美味しかったね!」


そう、ジェシーは俺のチョコレートケーキまで少しだけ食べたんだ。

しかも俺のフォークを使って。


いきなりのことで俺はビックリしたが、ジェシーは何事も無かったように自分の分を食べ始めたので俺は聞くことをやめた。

だが横顔で、耳まで赤くなっているのはバレているからな。


「ふう、この後はどおする?」


紅茶を飲んで一息ついたジェシーが俺に訊いてくる。


「ジェシーはどおするんだ?」

「私はこの後はまた矢を買って森とは別の所でレベル上げをしようかなって思ってるんだけど…アリエスが良いなら一緒に行かない?」


また、レベル上げの誘いか。

今日は良いかな。一人でやるのは明日からでも出来るし。今日はとことんジェシーに付き合おう。

それに、楽しいしな。


「おう、良いぞ!」

「本当!?やった!」


ジェシーが小さくガッツポーズをした。俺はそれを見て、微笑んでしまった。


「よし、ここは俺が奢るよ」

「え、良いよ!悪いから!」

「そう言うなって、俺はあまり金使わないし、それにジェシーは矢を買わないといけないだろ?」

「うっ!それを言われると痛いです…」

「だからな。今回は俺に任せろって」

「う~。はい、お願いします」


そう言うことで俺たちは会計を済ませた訳だが、スペシャルパフェ高すぎだろう。

600セルもしたぞ。



会計を済ませた俺たちはジェシーの矢を買うために道具屋に行き、矢を買ってから今度は別の森『黄昏の夕闇』ってちょっとアレな名前のエリアに行った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ