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ANOTHER WORLD  作者: てんくう
3/10

街の外に出ると所々に人が居るだけで、普通に狩りは出来そうだった。

このフィールドは初心者フィールドと言われていて、出てくるモンスターはウルフ、ラビット、モグラ、スライムだ。


ほとんどの人がここで、手慣らしをしてそれからここから少し奥にある森に行くらしい。

それで、多分だがもう周助と悠と姉さんはこの奥に行ったか、別のフィールドに行っているのだろう。


かくいう俺も、ここで少しモンスターと戦ってから奥の森に行くつもりだ。

そう考えながら俺は【索敵】をしながら死神の鎌を取り出す。

死神の鎌は伸縮可能な草刈りに使うような大きさの鎌だった。使いやすいから気にしないことにした。最大で刃渡り二メートル、柄が1メートルになる。

それと、これは伸縮と言わないと思う。巨大化だと思う。


そんなことを考えて居るとウサギのようなモンスターが居た。あいつがラビットというモンスターだろう。

どうやって倒そうか…最初は死神らしく倒してみようかな。


俺は隠密を使い、ラビットに背後から近付いてラビットの首を切りつけた。

すると、【必殺】が発動して、ラビットの首がポロっと落ちて、ラビットはポリゴンとなって消えてしまった。


…ふう。

運営さんもう少しマシな表現はなかったのかい?血は出てこなかったけど、首が取れるって普通にみたら軽くホラーだよ。俺じゃなかったら叫んでいたぜ?


そう、運営に訴えかけていると、ラビットの所にドロップ品が落ちていた。


お、ラッキー。

何があるかな?



らびっとの皮 《素材》

ウサギ型モンスターが持っている一般的な皮。色々なところに使われている。


らびっとの牙 《素材》

ラビットの牙。色々なところに使われている。


スキル【跳躍】

死神の特性によって現れたもの。



…………………は?


ちょーーーっと待とうか。いや、本当に。

俺は眉間を手で揉みながら思考を巡らせる。最初の2つまではいいとしよう。普通にドロップ品だから。

素材の名前がひらがなだと言うことも気にならない。


しかし、しかしだ。

この最後のはいただけない。何でスキルがドロップしてんの?おかしくないか。


そりゃあ、説明のところに死神の特性によってって書いてあるけどさ、その特性って何よ?


気になった俺はステータスを出してジョブの死神のところをタッチする。



ジョブ "死神"

ありとあらゆる生物の命を刈り取る冥界の執行者。死神の手で殺された者は…。


特性その1…倒したモンスター、NPCの持っているスキルを1つだけランダムで1つ取得出来る。しかしその確率は百万分の1。


特性その2…鎌以外の武器を使えない。


特性その3…紙のような防御力のためどんなモンスターの攻撃でも一撃でも食らえば死んでしまう。(防御力1が固定)


特性その4…??????????『まだ条件を満たしていません』



…なるほどね。

納得……出来るかぁぁぁぁあ!

なんだよ紙のような防御力って!俺は一撃も相手の攻撃食らっちゃいけないのかよ。それってどんな無理ゲー?

それに4個目!まだ何かあるのかよ!もういいよ。これだけで十分だからさ。


まぁ、1つ目と2つ目はいいや。死神になった時点である程度の覚悟はしていたから。

でも、こんな特性が付いてくるとは思わなかったけど、完全に予想外でした。特に1つ目が。


人知れず、騒いだ俺はモンスター1匹倒すだけでものすごく疲れた。

あ、スキルはちゃんと追加されていたよ。効果がこれだ。



【跳躍】

いつもより高く跳べる。


安定の説明の雑さでした。

それで、ためしに垂直跳びしたら大体三メートルくらいだった。もう人間のジャンプ力じゃないな。

もとから種族は違うけど。



そのあと、ウルフ、モグラ、スライムと倒して、全部のモンスターが一匹目からスキルをドロップした。

取り敢えず俺は自分の運に恐怖した。

因みにドロップしたスキルはこちら。



【遠吠え】 ウルフがドロップ

よく吠えるな。


【土を掘る】 モグラがドロップ

土を掘れます。落とし穴を作るのに便利。


【体当たり】 スライムがドロップ

体当たりしたらダメージを与えれます。



うん。説明の雑さとスキルの必要性がないということが良くわかるな。

俺は要らないっと拒否しようと思ったが、出来なかった。因みにこれらは普通のスキルに含まれていて、固有スキルと別に10個持てる。

それ以上になると控えスキルとなる。 だから今の俺のスキルは最初に選らんだ5個とさっき手に入ったスキルが4個で合計で9個だから、あと1個だけ装備スキルに入る。

というか、【跳躍】以外のスキルが何処で使えばいいのか、使い道が全然思い付かないんだが…本当にどうしよう?


よし、受け入れよう!諦めたとかじゃなくて、受け入れるんだ。物は言い様だ。


そのあとは少しフィールドを歩いて回って、散歩をした。その途中で採取ポイントがあったからついでに採取をしておいた。

そして、散歩しながらこれからの事を考える。


いやね、1つだけ本当に必要だなと思うスキルがあるのだが、まだ取れそうないな。

死神の特性を見て、そして実際にモンスターと戦って見て思ったんだが…やっぱり、【危険察知】みたいなスキルが俺には必須だ。

だって一発でも当たれば死ぬんだよ?なら【危険察知】も必要だし、不意討ちを避けるための【索敵】も必要だし。

まぁ、【索敵】は取っているからいいけどさ。


それでも、【危険察知】は絶対に必要だと思う。それか、パーティーを組むか。

でもなぁ…なんか足手まといと言われて入れてくれなさそうなんだよな。


よし、パーティーを組むというのは最終手段にして、まずは自分で出来そうな事をしよう。


そう決めてから俺はウルフが居たため、今度は急所攻撃を狙わずに普通の戦闘をすることにした。

だって、もしかしたら急所攻撃が効かなくて、ガチで戦わないといけないときが有るかもしれないからだ。

それと、普通に戦いたいという気持ちもなくもないけどな。



【引っ掻き】ウルフがドロップ

爪をたてて引っ掻く。意外と痛い。



さっきのウルフを倒した時にドロップしました。また不必要なスキルが増えてしまいました。

さてさて本当にこれらのスキルをどうしましょう?

入れ替えじゃなくて、普通に外すことって出来ないのかな?


やってみたところ…出来ませんでした。酷いよ運営。俺にどうしろって言うんだ。

フィールドのど真ん中で両手両膝をついて嘆き悲しんだ。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



少しの間そうしてから、気を取り直してもう少し奥に行くことにした。

この森の名前は『魔物の森』らしい。もう少しネーミングセンス無かったのか?運営は。


この森に出てくるのは、ゴブリン、オオグモ、ベアー、タイガー、ウッドパペット、イーグルらしい。

この中でも俺はウッドパペットが厄介だと思う。


理由は簡単、急所が無さそうだからだ。だからウッドパペットだけはガチンコ勝負になりそうだ。

他のは急所攻撃で【必殺】を発動させます。


そう考えていると、【索敵】に反応が出てきた。


さて、最初の相手は誰だろうか?




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