失意
「にゃああああああああ~~~~~避けて避けて避けて~~~~~っ!」
どっす~~~ん
突然後ろから突き飛ばされて俺は前のめりにでんぐり返った。
っだ~~~ん………
そして上にぷにょんとしたものが降ってきた。なゆらだ。
「な、な、なにしやがる!」
「にゃ?ヒコ泣いてるにゃ?」
「泣いてなんて、なんて、なんて、うおぉぉぉおおおおおおおお」
俺はなゆらの胸に顔をうずめて号泣してしまった。
「お、俺のせいで、俺の特異体質のせいで、世界が、世界が終わっちまうんだ、そ、そんな、つ、つもりは、無かった、なかったのに……」
「にゅ?大丈夫にゃ。ワッチになんでも話してみるにゃ!」
俺はもうどうしていいか分からなくなっていて、枢機卿とやらに聞いた魔アイテム「デル魔くん」のことをなゆらにすべて話した。話してどうなることでもないと分かっていても、俺はたぶん許されたかったのだ。そして、なゆらだけは許してくれると思っていたのだ。が……
「このボケたんが!」
予想した反応は返ってはこなかった。
「え!やっぱ、なゆらも許してはくれないのか」
「そんなことは言ってにゃいのら!このボケたんが!」
「そ、そんなボケたん、ボケたん言わなくてもいいじゃないか!」
「ボケたんにボケたんと言って何が悪いのにゃ。このボケたんが!」
「っきしょう!ふざけるな!お、俺だって好きでこんな体質に生まれたワケじゃないんだよ!」
思わず言い返してしまった。
「そんなことは分かっているにゃ。ヒコは昔から、ずっとそうにゃ。それにこの世界は一度ヒコに救われておるにゃ。だから気にするにゃ」
「え?いや、よく分からないんだが……」
「やはり忘れちょったか。だいたい察しはつくが、にゃにかされたのだろうオヤジ殿に」
なゆらは少しさびしい顔をしたように見えた。
「思い出したいきゃ?」
「あ、ああ。何か忘れているのなら、それは思い出したいが」
「では目を閉じろ。少しチュっとするが我慢するのにゃ」
「あ、ああ。ってチクっとするの間違いじゃな……んぐっ」
なゆらがキスをしてきて驚いて目を開けた。こんな時に!って言おうと思ったが、心のずうっっと奥の方でなゆらの声がした。
「目を、目をとじるのにゃ」
俺は言われるままに目を閉じた……




