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それは夢かマボロシか?
芽吹きはじめたばかりの緑の間を
みずみずしい風が吹き抜ける頃
丘の上の樹の下で
ボクと少女が向い合って立っていた
まだ子供のボクは同じ歳くらいの少女を見つめている
その少し桃色に染まった頬を
木漏れ日が右へ左へゆれていた
「……ああ、約束だよ」
少女が何かささやいたあと
ボクは悲しい気持ちを気づかれまいと空を見上げた
嘘のように青い青い空に白い雲が泳いでいる
「大きくなったら、ボクが君を呼ぶから……そしたらさ、約束だよ」
息を大きく飲み込んだあと、ボクは思いきって言った
すると風がひとつ生まれ、少女の髪を揺らした
「うん……きっとよ。ハイ、オマジナイ……」
少女はそう言うとボクのホッペにキスをした
「うわっはぷぁあっぷ」
ボクは慌てて奇声を発してしまった
そして世界の色が真っ白になって飛び散っていった
ま、まってくれよ……
ーーーーーーー ドサッ ーーーーーーーーー
「……ん?あ、ああ夢か……」
俺はベッドから落ちて目を覚ました……
高校生にもなってベッドから落ちるとは……不覚。




