ムサシ、涙目
その後、薬草を採取したり幽鬼とエンカウントして死にかけたりしつつ、なんとか総合で約4000ゼニー稼いだ。
夕日が目に染みて心の汗が眼球から噴出しそうでございます。
あのね?
1対2とか1対3とか卑怯極まるから。そもそも喧嘩にならないって言うか選択肢エスケープオンリーですから。
もっと酷いのがあと一息ではぐれ幽鬼殺せる!
って時に後ろから奇襲攻撃とか。
なんなの?
俺を殺す気なの?
金銭的に真綿で首を絞めるようにして殺す気なの?
ホントに死んじゃうよ?
ドナドナ的な感じで戦場送りになってみ?
俺1時間で死ねちゃうよ?
分にして60分。秒にして3600秒でぽっくりさっくり死ねちゃうんですよ??
そんな訳でして、4000ゼニーの内訳は魔石1個&薬草31個&血液が染み込んだ薬草が山盛り、ですた。
あれれ〜?
『武器のレンタル代なんて簡単に稼げちゃうよ〜☆』って、受付の人が言ってた気がするんだけどな〜?
昼前から飯も喰わずに夕暮れ時まで働いて、
なぁぁぁぁんで4000ゼニーしか稼げないのかな〜?
「てか、服の血糊落ちるのか、コレ?」
なんか、背後から奇襲された時におもいっきり噛まれて服は穴だらけで血まみれだし、その時に血がついて(商品として)薬草殆どダメになっちゃったしで、正直もぉ人生が嫌になるレベル。それでもギルドの閉店前にはレンタル武器を返却しなきゃならない。
しかし残念な話、返却時にはレンタル代の5000ゼニー、もしくはそれと同等の対価を払う必要があるわけで。
「あぁ。俺の人生、詰んだ」
なんかもー悲しいやら情けないやらで涙も出ません。
こんなことならあのアホクズの下で働いてたほうが良かったか?
いや、それは無いわ。それだけは無い。
けど、俺間違いなく戦場送りにされちゃうよな。
そうなったら死ぬ以外ありえねーわけで。
いやいや、案外その戦地で運命の出会いが!
とか?ありえねー。
こんな低級の魔物一匹まともに倒せないようなカスにそんなチャンス巡ってきたとして?
それでどうなる?
どうなるもんかよクソが!
死にたくなる気持ちを腹に抱えて、俺は城門に向かった。
もぉ割と色々な事がどうでも良かった。
だからだろう。
目の前の草むらから7級に分類される邪粘族のゾルが2体現れた時、俺はなんの躊躇いもなくそいつらに襲い掛かっていた。