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「ジリリリリリ~」目覚ましの単調な音が時刻を告げる。
「ジリリリリリン・・・」目覚ましの音が止まり一人の青年が動き出す。
「ふわぁあああ~、もう朝か・・・」
俺の名前は小鳥遊 竜桜陵学園に通う1年いや今日から2年か・・・。
いつもより30分早い時間に起きたのは、今日が少し特別な日だからだ。
なんたってこれからの2年間を左右するパーティ編成があるからである。
パーティ編成とは桜陵学園で2年から始まる恒例行事で、原則同学年の生徒なら自由に組める、
入学してからの1年を振り返りながらクリーニングに出したスーツに身を包む、なぜスーツなのかと疑問に思うだろうが制服がスーツなのだ。
ここ桜陵学園はかなりのスパルタで有名であり、なんでもありなのだ。
そんな学園の1年目は地獄の1年間と呼ばれていている、毎朝10キロのランニングから始まり授業ではエージェントとしての基礎知識や生き残るための戦闘方法などを1から叩き込まれる、なかには模擬戦なるものがあり怪我人続出で噂では死人もでるとか・・・。
そんな1年間だったが正直俺にはぬるかった、物心ついたときから学園に入るまで、優秀なエージェントになるために教育されてきたのだ。 教育と称していろんなことをやらされ、親の仕事を手伝わされることもあった。 中には日本の闇に触れるような仕事もあり次第に俺は汚れていった。
だがもうそんなことはどうでもいい、これからはそれなりの人生を歩もうと心に誓ったのだ。
そんなのことを思いながら鞄を掴み取り、勢い良くドアを開け放った。