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泥酔(でいすい)チャーター

作者: 浅川太郎

季節柄、皆様におかれましてはご自愛くださいませ。

僕は大酒飲みだった。それも、タチの悪い。


口論なりケンカをする、という意味ではなかった。

私生活が、充足という言葉とかけ離れていたため、ついつい深酒をやり、失敗を続けてる、といった具合だった。

夜の街にくりだす前に十万以上財布に入れてたはずが、翌朝みると、万扎がわずかに1、2枚ということはよくあった。

おおかた、酒場の女の子に、「これ、チップもらっとくわ」なんて言われて、いいよ、いいよと応じていたのかもしれない。


怪我もよくした。


後頭部を割り、大量に出血し、救急車で運ばれたこともある。

最近は傷口を縫うとき、ホチキスみたいなものを使ってるのではないか。


医者に、翌日も来るように言われ、翌日、別の医者に、「師走になると、あんたみたいな急患、増えるんだよねぇ。前後なんて覚えていないんだよな、だいたいは」と、笑われたこともある。

またある晩など、自宅の玄関口までたどり着いた、まではいいのだが、鍵をとりだし、さ、そこから先ができない。鍵孔に鍵を入れることができない。ショックだったが仕方ない、玄関で寝た。


雪の夜、自宅まで10メートルと少しというところで溝にはまり、アゴと上腕から血がしたたり落ち、鮮血に染まった雪を見た瞬間、正気に戻ったこともある。

よくもまあ、頭からはまり、額を傷つけなかったものだと、酔っ払いの自身を(かば)う能力に驚いたこともある。



こんなことを続けていたせいで、会社でも有名になってたようだ。



ある花見の日、上司が聞いてきた。

「今日は大丈夫だろうなあ?」

「大丈夫です。ちゃんと救急車、チャーターしてますから」 と、胸を張った。



‥‥実際にやってはいけませんよ。社会問題になりますからね。


《強い酒に溺れ、弱音をはいて‥‥》やしきたかじんの歌の歌詞、そのままですねぇ。

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