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エピローグ
かの大戦より世界を虐げてきたメイミィに一矢報いた。栄えあるイーヴェンの復活、と国内が神を讃えるがごとく熱狂する中。一人……戸木は、沈黙していた。
「生んでおいて、殺させておいて、逃げおおせて生きてくれなんて、烏滸がましいにもほどがあると知っている、だが……これが、あいつとの約束なんだ。すまない」
戸木の特別研究室。国の検閲監視から逃れつつ、死に物狂いで作ってきた作品たち。神の威光に隠れた、禁忌。彼の生涯の、最高傑作にして最悪の発明品。
「空間座標特定。次元遮蔽物無し。時空間連動率良好。特殊電源コード起動、全施設シャットダウン完了。メイン電力強制接続。……西暦二一二五年八月六日。午前八時十一分……」
巨大なカプセルの中。一本だけの試験管に入っているのは、軍徒の共通生体サンプル。軍徒の全てが待たされている、切符としての遺伝子の欠片。
暗い研究室の中、煌々と光るモニターに表示されるのは、かつて本物の竜たちが生きていた時代。
「方舟に、祝福あれ」
戸木は祈るようにそう零し……タイムマシンを起動させた。
これが、神に約束した神殺し。
二人で描いた終末論であった。




