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14.英雄の死後

 これは、ヤマトの死後に関する記録である。


『彼は国を守るために生まれ、その使命を果たし沈んだ。この犠牲は重く受け止めるべきものであり、我々はそれを忘れてはならない。祖国の盾となり、命を賭して暴威を打ち砕いたその魂は、我々の中で生き続け、明日の世を照らし続けるだろう___海軍式典挨拶より』


『彼は祖国の未来、希望を背負った者であった。その犠牲は我らの誇り。その勇気は、我らの道標。その瞳に恐れはなく。その胸には仲間との絆が抱かれていた。この奮戦を、我々は忘れない___ヤマト記念碑より』


『史上最大にして最強の軍徒・ヤマト!!世界最強の原子爆弾と合い討ったイーヴェンが誇る最高傑作個体!!四十六ルインから始まる規格外な戦闘力を徹底解説!!___国営出版「イーヴェン戦記」より』




 また、以下はオゥ―軍徒研究所……ヤマトが製造され、ユキカゼが指導を行った研究所である……の職員たちの会話である。


「ユキカゼの指導ならひょっとしたらって思ったんだけどな……やっぱダメだったか」

「でも人気みたいですよ、ヤマト。良かったじゃないですか」

「よくないよ。あれにどれだけのコストがかかったと思ってんの?」

「半世紀かけて上昇させるべき税率を五年で実行。課税項目の増加、非課税世帯の基準撤廃。米の値を上げガソリンの値を上げ、奨学金予算の倍以上を使って防衛費拡充。ざっと一億はいってますね」

「ヤマトは何人食ったんだ?七千は超えてたか」

「おそらく、二万は食っています。財政変更で失業者続出、ホームレス回収増加、補給食加工ラインも潤ってますね。よくできた地獄です」

「安楽党が与党になっちまったからなあ、止まらねえよこれ」

「下り坂でブレーキが壊れたんですから仕方ないですよ」

「このあいだ子供がヤマトのフィギュア持って遊んでたんだけどさ、脚が生えてたんだよ、ヤマトに。どんな顔したらいいのか分かんない」

「笑えますね」

「艤装追加フォルムとかもあってさ、これがめちゃくちゃカッコいいんだわ。別売りのヘイローパーツと合わせて、決戦形態なんて名前付いてさ。誰も見てないのによく分かるよなそんなの」

「男の子ってそういうの好きですよね。将来有望ですよ」

「誰も見たことないのに、名前と顔ばっか売れてくんだよな。ネームバリューってやつか。おかげで大昔の軍艦オタクも引っ張られてる。軍徒に艦名付けてるのってこれが狙いか?」

「オタクは推しの源流を知りたがるものですから。昔のプロパガンダを使い回しできて、楽でしょうね。リユースですよ」

「ああそうそう、このあいだガオドゥに講演行ったんだよ。小学校。で、ユキカゼとのドキュメンタリー鑑賞会してよ。ほら、最後にユキカゼが空を見上げて終わるだろ?」

「そうですね。なかなかいい天気の日もなくて撮影が大変そうでした」

「それを見た女の子が、この子お腹すいてるの?って聞いてきた」

「え」

「ここのところ、読解力がない、文脈が分からない子供が増えてるって聞いてたし、いよいよ末期かなあって思ったんだけど。これが間違ってないんだわ。あのときちょうど、撮影のために何時間もユキカゼの補給を遅らせてたんだよ」

「偶然ですよね?」

「さあ、どうだか」

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