夏バテくらいはするらしい
あ
ちょっとよくないかも
思ったときには
もう手遅れで
ちょっとどころではなく
すでに
だいぶよくない
夏が好きじゃないのは
人たちが
だらしなくなるから
とのわたしの推察
夏じゃなくても
わたしを含め
人たちは
おおいに
だらしないみたいで
だから
わたしのその推察とやらは
どうやら
はずれのようだ
暑さのせいか、庭のアサガオが、わさわさ勢いよく成長した姿をみせてくる、そのくせ花をつけないのは、やはり、暑さのせいか、それとも、わたしへのアテツケか
ヒマワリを育てたことは、一度だけ、小学生のとき、班の子たちと一緒にだった
ヒマワリを育てる気にはならない、ヒマワリを嫌悪しているのではないけれど、どうもわたしには彼の笑顔が眩しすぎて、直視できないのだ
笑顔が眩しいぶん、夏が終わってしまったときの彼の姿も、見るに忍びない
あれは、悲しさそのものだ
一度くらいは
家出というものをしてみても
そう思ってはみたけれど
家出をして
さて
何をしたものか
その
何か
が
見あたらず
結局
家出はしていない
わたしがしあわせだと思っている世界は
わたしがしあわせだと勝手に思いこんでいた世界だ
近くでやっている工事の音も
ここのところはすこしちいさめ
工事の音だって
夏バテくらいはするらしい
愚か者は死んでいくのだよ
もうすこし歴史を学んでおいたほうがよかった
古本との出会い
ときどきあるおもしろいこと
本についている血
推理してみる
先の持ち主のものか
それとも
殺人か
夕方の風は
ここちよく
いまが夏であることを
一瞬だけ
わすれさせてくれる
その一瞬は
けれど
もうすでに
とおい過去のこと
冷蔵庫の
モーター音しか
聞こえてこないことに
しあわせを感じてよいのやら
判断に苦しむけれど
悪いことは
起こっていない
という意味において
それは
しあわせなのだなあと
思うことにする