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第二章 封印されていた風語りの力

彼女の中で、夢のような記憶が何度も浮かんできた。

空のない星。音だけがすべてを照らす世界。

そこにいた、自分によく似た存在。


ふとした時、彼女の声が風と共鳴する。

草が揺れ、窓が微かに震え、遠くの誰かの涙が静かに止む。

誰かが彼女の声を必要としていることが、なぜかわかるのだ。


ある夜、夢の中で彼女は風の精霊と出会った。


「あなたは“風語り”でした。声で心を癒し、道を示す者。

この地球にその力が必要になったから、あなたはここへ還ってきたのです。」


彼女は気づく。自分の声はただの声じゃない。

人と人とを、魂でつなぐ風そのものだったのだと。

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