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チートな真眼の少年は、異世界を満喫する! ~金髪幼女を助けたら、未亡人のママさん冒険者とも仲良くなりました♪~  作者: 月ノ宮マクラ


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73/108

073・知らなかった事実(しくしく)

本日、まさかの注目度ランキング(連載中)の8位に入っておりました!

嬉しい!


そこからこの作品を見つけ、ブクマ、評価して下さった方、本当にありがとうございます!

よかったら、これからもゆっくり楽しんで下さいね。


また、いつも読んで下さる皆様も本当にありがとうございます!


どうか皆さんにこれからも、少しでも面白かった、楽しかったと思って貰えるようにがんばります♪


それでは本日の更新、第73話です。

よろしくお願いします。

「あの……明後日、クエストなんですか?」


 冒険者ギルドを出て、4人で大通りを歩きながら、僕は気になったことを聞いてみた。


 黒髪の美女は頷く。


「そうだよ」


「私たちのクラン、これでも王国トップの一角だもの。半年先までクエスト予約が埋まってるのよ」


 と、赤毛のレイアさんも言う。


 金髪のクレフィーンお母様も微笑み、


「ええ、彼女たちは凄いんですよ」


 と、友人を称賛する。


(へ~?)


 そっか。


 さすが煌金級のいるクラン、それだけの期待と信頼をされてるんだ?


 僕は聞く。


「ちなみに、次はどんなクエストで……?」


「『古代遺跡の番人』討伐、だね」


「番人?」


「遺跡の次の区画に通じる唯一の扉前にいるらしくてね。王立遺跡管理局の調査隊が先に進めなくなってるんだ」


「あらら」


「騎士と王国兵、20人ぐらい死んでる」


「…………」


 ええ……?


(その番人、やばくない?)


 僕は、恐る恐る訊ねる。


「……大丈夫なんですか?」


「まぁ、多分?」


「…………」


「私たちに来る指名依頼は、こんなのばかりだしね。いつものことだよ」


 あ……察し。


 ギルド長、心配する訳だ。


 これが、このクランの難易度の基準。


 そう言えば、他のクラン員も全員ついていけなくて辞めたって言ってたじゃん。


(そっかぁ)


 僕、遠い目。


 アルタミナさんは苦笑し、


「ま、今回からフィンもいるしね。それに、シンイチ君もいるからきっと余裕さ」


 ポン


 と、僕の頭に手を乗せる。



 ――嘘だ!



 と、思うけど、でも、僕を心配させまいという気遣いも感じるので文句は言うまい。


 つ~かね?


(どんな危ない場所だって、クレフィーンさんも行くんなら、僕も行きますよ)


 万が一あったら、やだし。


 そうなったら、ファナちゃんに申し訳ないし。


 だいたい、もしそうなった時、彼女に何て報告するんだよ……そんな嫌な役目、絶対したくありません。


 だから、



「――ん、がんばります」



 と、僕は素直に言う。


 アルタミナさんは驚いた顔をする。


 獣耳がピンとして、細長い尻尾がパタパタ左右に踊りだす。


 嬉しそうに笑い、


「ふふっ」


 クシャクシャ


 と、僕の髪を乱暴にかき混ぜたんだ。


 相棒のレイアさんも「ふぅん?」と少し感心したような顔をして、クレフィーンさんも優しく笑う。


(はいはい……)


 僕は、飼い主に撫で回されるワンコの気持ち。


 ま、好きにしてください。


 そんな僕に、


「うん、頼りにしてるよ、シンイチ君」


 と、黒髪の美女は、頬を赤くしながらはにかんだんだ。



 ◇◇◇◇◇◇◇



「――で、今日、明日の2日間は自由時間になるんだけど、シンイチ君? どこか行きたい所とかある?」


 突然、聞かれた。


(へ?)


 彼女は笑って、僕に言う。


「せっかく王都に来たんだ。どこでも案内するよ?」


(おお)


 もしや、クランの福利厚生ですか?


 見れば、クレフィーンさん、レイアさんも頷いている。


 僕は考え、


「じゃあ、魔法石板屋に!」


 と、回答した。


 3人とも、キョトンとしている。


 お母様が確認するように、


「魔法石板屋……ですか?」


「はい」


「その、王都には聖教の大神殿もありますし、名物の噴水公園や歌劇場、美術館、娯楽施設、美味しいレストランなど、他にも様々な観光スポットもありますが……」


「あ、大丈夫です」


「…………」


 お母様、何とも言えない表情。


 別にね?


 王都に来た以上、観光はいつでもできるんだし、急ぐ必要ないじゃん?


(それより、魔法石板だよ!)


 このアークレイン王国の首都なら、クレタの町よりたくさんの石板があるはず。


 そう、



(――僕は、魔法を覚えたいのだ)



 日本に比べて、異世界はあまりに危険が多い。


 その現実は、今日までに実感しまくりだ。


 だからこそ、自衛手段を早く、多く手にしておきたいのである。


 幸い、貯金も500万円以上あるし?


 近代魔法も2~3個は買えそうだし、古代魔法も魔力紋が適合するなら値段次第で買っておきたいよね、うん。


 レイアさんは肩を竦め、


「本人が希望してるなら、いいんじゃない?」


「う~ん、まぁ、そうだね」


 アルタミナさんは物足りなそうな表情だけど、同意する。


 お母様は困った顔。


 息を吐き、長い金髪を揺らして頷く。


「わかりました。王都には、品揃えの良い魔法石板店も多いので、色々、巡ってみましょう」


「うん、お願いします」


 僕は、笑顔で答える。


 そんな僕に、クレフィーンお母様は苦笑する。


 と、その時、


(……そう言えば、3人は魔法、どれくらいの数、覚えているんだろう?)


 ふと気になった。


 古代魔法はともかく。


 近代魔法に関しては、魔法石板を使用すれば、ほぼ確実に覚えられるという。


 つまり、


(金さえあれば、いくらでも……だ)


 そして、引退したクレフィーンさんはともかく、現役の2人は冒険者トップの報酬額を得ている方々である。


 もしかして、100とか200?


 いや、それ以上……?


 ドキドキ


 ちょっと、黒髪の獣人さんと赤毛のエルフさんを見つめてしまう。


 2人は視線に気づき、


「ん? 何だい?」


「何よ?」


「あ、いえ、その~、お2人は今、魔法をどれくらい覚えてるんですか?」


「え?」


「は?」


 美女2人は、唖然とした顔。


 僕は、今、自分の考えていたことを伝え、期待を込めて、もう1度、数を聞く。


 すると、3人の美女は顔を見合わせる。


(???)


 何だろう?


 僕、変なこと言ったかな?


 不思議に思う僕を、3人は見る。


 金髪のお母様が頬に手を当て、幼い子供に教えるように口を開く。


「その、シンイチ君」


「はい」


「あのですね……実は、人が魔法を使うための魔力回路は、古代、近代の種類を問わず、人体には最大5つ分しか形成できる容量がないんですよ」


「……え?」


 僕は、黒い目を瞬く。


(5つ……?)


 黒髪の美女も頷き、


「6つ以上の回路は、人体への負荷が大き過ぎてね」


「試した人間は、100パーセントの確率で死んでるわ。だから、現在は5種以上の回路を形成できないよう、石板自体に安全装置がついてるの」


 と、赤毛の美女も続ける。


 そ、そんな……。


(つまり、人は魔法を5種類しか覚えられないの?)


 クラッ


 僕は額を押さえ、よろける。


 な、何てことだ……。


(将来、何百種類もの魔法を使いこなす『大魔法使い』みたいな存在になれるかもと密かに思ってたのに……!)


 うう……。


 我が夢、破れたり……しくしく。

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― 新着の感想 ―
まぁ現実はそんな上手く行かない物だよね・・・それでも今のシンイチにとっては、真眼と古代魔法が生命線ではあるけど・・・
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