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チートな真眼の少年は、異世界を満喫する! ~金髪幼女を助けたら、未亡人のママさん冒険者とも仲良くなりました♪~  作者: 月ノ宮マクラ


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027・異世界の商品

 僕はファナちゃんと2人、大通りを歩く。


 歩きながら、


(あ……冒険者ギルドの方に歩いてるや)


 と、気づいた。


 し、習慣とは恐ろしい。


 ……ま、いいか。


 目的地も決めてないしね。


 道沿いには、多数の店舗が並ぶ。


 冒険者ギルドが近いからかな、この辺には、冒険者関連の店が多いみたいだ。


(お、武器屋だ)


 思わず、店先を覗く。


 ガラス壁の向こうの商品棚には、剣や槍が並んでいる。


(ふむ?)


 先日の初心者用の店とは違う専門店だ。


 商品も見た目から高価で、作りもしっかりしているように思える。


 ジッ


 見ていると、


 ヒィン




【鋼の長剣】


・鍛冶ギルドの量産品。


・初心者を脱した剣士が使う専用装備。切れ味と耐久力が高いバランスで両立している。


・値段、7000リド。約70万円。


・攻撃力、30。




【赤蜂の槍】


・魔物素材の槍。


・赤蜂の針を加工した穂先となっている。刺突の威力、貫通力が高い。


・値段、1万2000リド。約120万円。


・攻撃力、40。




 などの表示。


(へぇ……?)


 なんか、格好いい。


 僕も男の子ですから、こういうの見るとワクワクしますな。


 しかし、


(攻撃力……か)


 30、40って、高いのかしら?


 僕の覚えた古代魔法『土霊の岩槍』は、攻撃力180だったけど……。


 よくわからない。


 隣接してる防具屋も覗く。


 入り口横のガラス1枚を挟んだ商品棚には、鎧や盾が陳列されている。


 真眼チェック。


 ヒィン




【薄金の軽鎧】


・鍛冶ギルドの量産品。


・薄い金属板を用いて、軽量に仕上げてある。防御力を保ちながらも動き易い。


・値段、8000リド。約80万円。


・防御力、25。




【魔弾きの小盾】


・名工ガレベス・ロイド作。


・素材に魔素に反発する特殊な金属を用い、受けた魔法を弾くことができる。


・魔法ダメージ減少率、約7割。


・値段、3万8000リド。約380万円。


・防御力、45。




(盾、高……っ!)


 しかも、魔法を弾く……か。


 これは、なかなかの一品らしい。

 

 しかし、攻撃力とか、防御力とか、もしかして、足したものが『戦闘力』なのかな?


 クレフィーンさんとか、友人2人にも表示されてたけど。


(んん~?)


 と、考えていると、


 ヒィン




【戦闘力】


・所持する武器、防具、魔法から推定される戦闘力を数値化したもの。


・強さの目安となる。


・冒険者の例、無真級1~50、赤火級51~100、青水級101~150、森緑級151~200、紅紫級201~300、白銀級300~500、煌金級500以上。


・ただし、強さと実力が一致しないこともある。


・数値はただの参考とするのを推奨。




(な、なるほど)


 ちなみに僕は……?


 右手を見る。


 ヒィン




【桐山真一】


・短剣、攻撃力15。旅服、防御力10。古代魔法、攻撃力180。


・戦闘力、205。




 おお、205……『紅紫級』だ。


(え……僕、凄くない?)


 新人冒険者だけど、実は、本当の実力は……みたいな?


 やば、かっこいい。


 …………。


 でも、その内の180が古代魔法なんだよね。 


 しかも、1日2発限定の。


 それを引いたら、たったの25。


(……うん)


 調子に乗るはやめとこう。


 真眼君も『ただの参考』って言ってますし……。


 と、その時、


「……お兄様?」


 隣の幼女が、不思議そうに僕を見ていた。


(あ……)


 わ、忘れてた。


「ごめんね、急に立ち止まって」


「う、ううん」


 フルフル


 おかっぱの金髪を散らし、ファナちゃんは首を振る。


 青い瞳が僕を見上げ、


「お兄様の行きたい所、行こ?」


 と、微笑んだ。


(天使……!)


 その笑顔が眩しい。


 思わず、顔を逸らし……ん?


 その視線の先で、とある1軒の店舗が目に入った。


 ヒィン




【クレタの石版販売店】


・魔法石版を販売している。


・近代魔法、古代魔法、両方の魔法石板を取り扱う。品数は少な目。


・魔法ギルド、公認店である。




(おお……)


 僕は、目を見開いた。


 魔法を売ってる店、か。


 古代魔法も扱っているのなら、もしかして、もしかすると、また覚えられるかも……?


 ドキドキ


 ちょっと期待しちゃう。


 僕は、


「あの、ファナちゃん」


「?」


「ちょっと、そこのお店の中、入ってもいい?」


「うん、いいよ」


 彼女は、寛容に頷く。


 わ~い! 


「ありがと、ファナちゃん、大好き!」


「!?」


「よし! じゃあ行こ」


「う、うん」


 なぜか真っ赤なファナちゃん。 


 僕は深く考えずに、彼女の手を引いて『石板販売店』に入っていったのだった。



 ◇◇◇◇◇◇◇




(うわ……狭ぁ)


 店内は、思ったより狭かった。


 多分、4畳ぐらい?


 そのぐらいの空間に、鍵付きのガラスの棚が並び、中に大小の石板が並んでいる。


 奥のカウンターには、片眼鏡のおじいさんが1人。


 僕らを見て、


「いらっしゃい」


 と、静かに一言。


 少年と幼女の組み合わせに、冷やかし客と思われてそう……でも、表情には出ていない。


 僕らは、軽く会釈。 


 すると、


 ヒィン




【ジーリム・レイ】


・人間、男、64歳。


・クレタの石板販売店の店主。


・来客の1人を新人冒険者と見抜き、将来の客になるかもと判断して接客中。


・商売歴、45年のベテラン。




(おお……鋭い)


 なるほど、ベテラン商人だね。


 内心で納得。


(では、その商品を少し見せてもらいますか)


 と、僕は陳列棚を見る。


 ……ふむ?


 棚の石板には、商品説明の紙が付属してある。


 店内の商品は、大半が『近代魔法』でどんな魔法かも判明してるらしい。


 このお店には、どうやら『古代魔法』を記した『マトゥーンの魔法石版』は3個しかなく、こちらは別棚に保管され、魔法の種類も不明みたいだ。


(ふ~ん?)


 僕は、説明文を読む。


 先に、近代魔法の棚から、




『火の指』


・指先に、小さな火を灯せます。


・焚き火などに、火が付けられます。


・価格、1万3000リド。




『水雫』


・少量の水の流れを生み出せます。


・旅の途中、汚れなども落とせます。また、飲用も可能です。


・価格、1万2000リド。




『光の羽虫』


・光る羽虫が生み出せます。


・長時間、持続するので、夜間や洞窟などで照明になります。


・価格、1万5000リド。




『雷神の矢』


・雷の矢を飛ばします。


・熱を伴う攻撃魔法です。感電により、相手を麻痺させることもあります。


・価格、3万5000リド。




『癒しの風』


・回復魔法です。


・軽度の切り傷、打撲、捻挫などを治せます。


・価格、2万8000リド。




『眠りの香』


・眠気を誘う空気を生み出します。


・空気を吸った対象を睡眠状態にできますが、抵抗される場合もあります。


・価格、2万リド。




(うわ、高っ)


 1枚、120万円以上。


 最高額は、350万円か。


 でも、こっちは確定で魔法、覚えられるんだよね?


 だから、用途不明、100分の1の習得率の『古代魔法の石板』より、高額になるのか。


(ふ~む)


 だけどなぁ。


 ヒィン


 真眼で視るとわかる。


 この中で、唯一、攻撃魔法っぽい石板でも、



【雷神の矢】


・汎用の攻撃魔法。


・射程20メートルで、雷の矢を射出する。


・攻撃力、50。




(あんまり、強くないね)


 同じ金額出したら、剣とかの方がよっぽど攻撃力が高いかもしれない。


 う~ん、


(これが、近代魔法か)


 少し残念かも。


 でも、種類は豊富で便利そう。


 あ、そっか。


 近代魔法は、多分、攻撃とかより、補助とか支援の用途で使われるものなのかもしれないぞ。


(ふむ……なるほど)


 これは勉強になったよ。


 次は、古代魔法の石板の説明文。




『マトゥーンの魔法石版』


・証明書付き。


・20年ほど前、タパルム地方の古代遺跡で発掘されました。魔法式は不明です。


・価格、5000リド。




 と、3個とも同じ説明である。


(ふ~ん?)


 と思いながら、


 ヒィン


 僕は、真眼を発動する。


 説明文の上の空間に、新しい文字が重なる。




【海霊の龍砲】


・高圧の水流を放つ魔法。


・対象の切断、破砕など、水流の太さにより変化できる。


・攻撃力、200。


・桐山真一の魔力紋と不適合。習得、不可。





【天霊の光羽衣】


・絹のような光の防御膜を創る魔法。


・受けた攻撃魔法の威力を大幅に減少させる。物理攻撃もある程度、防げる。


・防御力、150。


・桐山真一の魔力紋と不適合。習得、不可。




【森の剣霊】


・木製の剣を創る魔法。


・木製だが、その剣の切れ味、耐久力は、鋼よりも高い。


・攻撃力、120。


・桐山真一の魔力紋と不適合。習得、不可。




(おお……)


 どれも性能高い。


 さすが、古代魔法……!


 そして、3個とも僕と不適合、習得不可かぁ……無念です。


 ま、仕方ない。


 100分の1の確率だもの。


 むしろ、


(事前にわかって、無駄金使わないで済む分、ありがたいよ)


 さすが、真眼。


 さすしんです。


(それに……)


 ジッ


 右手を見る。


 ヒィン



【土霊の岩槍】


・右手に、魔力回路が形成されている。


・習得済み。




(うむ)


 1つあるだけで、今は充分。


 高望み、よくない。


 右手をキュッと握り締め、僕は頷く。


 そんな僕の横では、幼女が背伸びしながら、陳列棚の石板を眺めていた。


 なんか、珍しそう。


 目が輝いてる。


(……うん)


 年相応で、いいじゃん。


 僕は、ほっこり。


 ファナちゃんは、


「……お、お母様、昔、同じような石、何個か使ってた」


 と、ポツリ。


 え……?


「そうなの?」


「う、うん」


「そっか。……じゃあ、クレフィーンさん、近代魔法も使えるんだね」


 凄いな。


 本当に、強い冒険者の未亡人さんだ。


(いや、待てよ?)


 もしかしたら、上級の冒険者は、皆、補助的な近代魔法を使えるのが当たり前なのかも……?


 金があれば、覚えられるんだし。


 金、金かぁ。


(うん、僕もがんばろ)


 ま、無理はしないけど。


 自分なりに、ね?


 だって、僕も強くなりたいしさ。


 そのあと、僕らは店主のおじいさんにお礼を言って、石板販売店をあとにする。


 何も買えなくて、申し訳ない。


 でも、おじいさんは、


「お金が貯まったら、またおいで」


 と、笑ってくれた。


 異世界人情……。


 うん、そうします。


 僕は頭を下げ、今度こそファナちゃんと一緒に店を出た。

ご覧頂き、ありがとうございました。


ここで、更新時間変更のお知らせです。


今までは、0時過ぎの更新でしたが、次回から更新時間を午前6時過ぎに変更したいと思います。

突然の変更となりますが、よろしくお願いします。


次回(第28話)は、8月30日の午前6時頃の更新となります。どうかこれからも読んで頂けましたら幸いです♪

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― 新着の感想 ―
まぁ高いし適性の有無があるから店長も目くじら立てないんだろうね。
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