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チートな真眼の少年は、異世界を満喫する! ~金髪幼女を助けたら、未亡人のママさん冒険者とも仲良くなりました♪~  作者: 月ノ宮マクラ


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112/124

112・南都フレイロッドにて

 僕らは、南都フレイロッドの街中を歩いていく。


 王国、第2の都市。


 人口は30万人、南部地域の中心なのだと、前に真眼君が言っていたっけ。


(へ~)


 王都アークロッドとは、少し景色が違う。


 王都が西洋風のイメージなのに対して、南都フレイロッドは建物や人々の服装などがアラビア風のイメージなんだ。


 馬もいるけど、駱駝らくだもいる。


 あと、水路も多い。


 だからか、日差しは暑いけど、体感は涼やか。


 いや、暑いんだけれども。


 キョロキョロしながら3人の美女のあとに続いていると、やがて、僕らは南都の馬車ギルドに辿り着いた。


(おお、立派)


 真っ白い宮殿みたいな建物。


 奥の敷地には、車両と共に馬、駱駝、竜など、色々いる。


 クラン長の美女は、


「このあとは、車両で砂漠地帯に出るよ。交易路の中継地点にあるオアシスの街で1泊、翌日、サンドウォームの出現地点に向かうからね」


「あ、はい」


 僕は頷いた。


 で、車両だ。


(おお……大亀だ)


 でっかい亀さん。


 体長は5メートルぐらい?


 象亀みたいな生き物で、大きな甲羅の上に座席があり、日除けの傘とカーテンがある。


 か、かっけぇ……!


 僕、大興奮。


 え、これに乗るの?


「そうだよ」


 笑うアルタミナさんは受付で書類に記入、乗車手続きを行った。


 やったー!


 亀の甲羅の両側には、荷物を引っかける紐と網と棚も設置されている。


 僕らは、自分たちの重い荷物を御者さんに預け、彼らもテキパキと固定してくれる。


 と、その時、


(あ……)


 黒髪の美女は、自分の戦斧と共に黒い大剣も預けた。



 ――青き落雷の大剣だ。



 例の『冒険者狩り』だった黒騎士の装備品。


 僕は聞く。


「それ、アルタミナさんが使うんですね?」


「そうだね。フィンとも相談したんだけど、彼女が遠慮したんで、結局、私が扱うことにしたんだ。今回がこの装備と私の組み合わせの初陣だね」


 と、彼女は笑う。


(そっかぁ)


 雷を放つ、いい武器だもんね。


 でも、かなりの重量らしく、御者さんたち、積み込むのが大変そうだったよ。


 ……そう言えば、


(みんなの装備って、どんな奴なんだろう?)


 今まで、しっかり見なかったけど。


 僕は、3人の美女の装備を見る。


 まずは、お母様。


 ジッと見つめ、


 ヒィン


 真眼が発動する。




白輝はっきの大剣】


・幅広の両刃剣。


・素材に『白輝魔石』が用いられている。


・斬れ味、耐久度に優れ、白輝魔石の特性で、周囲の魔力を吸収することにより、多少の傷、刃毀れなどは時間経過で自動修復する。


・大破すると、修復不可。


・クレフィーン・ナイドの愛用品。


・値段、20万リド。約2000万円。


・攻撃力、60。




【白輝の鎧】


・金属製の全身鎧。


・素材に『白輝魔石』が用いられている。


・耐久度に優れ、白輝魔石の特性で、周囲の魔力を吸収することにより、多少の損耗は時間経過で自動修復する。


・大破すると、修復不可。


・クレフィーン・ナイドの愛用品。


・値段、18万リド。約1800万円。


・防御力、60。




(へぇ……?)


 自動修復?


 凄いじゃん。


 クレフィーンさんの装備、そんな特性があったんだね。


 しかも、総額3800万円。


 う~ん、さすが、上から2番目の『白銀級の冒険者』、装備も1級品ってことかしら。


 僕の視線に気づき、


「?」


 ニコッ


 彼女は、不思議そうに微笑む。


 僕も、とりあえず、笑顔を返す。


 次、レイアさん。


 彼女の大弓と2本の短剣、赤い胸当てを見る。


(今度は、どんなのかな?)


 ヒィン


 真眼、発動。




【老霊樹の大弓】


・木製の大弓。


・エルフの棲むグレシアンの森の奥深く、長く生きた『霊樹』の枝を素材にして作られている。


・弦は、風竜の髭。


・しなり強度が高く、威力、命中精度も高い。


・弓の前面に設置されたブレードは、汎用品の刃で、レイア個人が接近戦用にカスタムしてつけた物である。


・値段なし。非売品。


・攻撃力、55。




月鋼つきはがねの短剣】


・金属製の短剣。


・月鋼石という素材で作られた量産品。2本1組で、150年前、レイアが人間の行商人から購入した品である。


・見た目は美しいが、性能は平凡。


・レイア・ロム・グレシアンの愛用品。


・値段、4万リド。約40万円。


・攻撃力、20。




【紅革の胸当て】


・革製の胸当て。


・グレシアンの森に生息する希少な『紅魔狼の毛皮』を素材に作られている。


・見た目以上に軽量、かつ丈夫である。


・レイア・ロム・グレシアンの愛用品。


・値段なし。非売品。


・防御力、45。




(ほほぅ?)


 なるほど。


 レイアさんの装備は、森素材のものが多いみたいだね。


 しかも、大弓と胸当ては、非売品。


 なんか格好いい。


 ちなみに矢筒の矢は、普通にお店で売ってる汎用の大弓用の矢みたいです。


 一応、高品質の物らしいけどね。


 赤毛のエルフさんは長い髪をサラッと手で払いながら、御者に大弓と矢筒を渡していた。


 あら?


 御者さん、少し顔が赤いですね。


(うんうん)


 わかるよ。


 怜悧な美貌のレイアさん、本当、美人だもんね。


 で、最後、


(アルタミナさんは……っと)


 ヒィン


 僕は、彼女を見る。


 黒い戦斧と鎧。


 さて、どんなかな?


 ワクワク


 期待と共に、文字が表示される。




【偉大なる鬼王の戦斧】


・金属製の戦斧。


・5年前、アルタミナが討伐した5000体のオーク種を率いたオークキングが所持していた戦斧である。


・重く、とにかく頑丈。


・素材は、希少な黒魔鋼石。


・アルタミナ本人は知らないが、かつて、オーク王が倒した150年前の人族の英雄が所持していた物である。


・値段、なし。非売品。


・攻撃力、70。




【黒土竜鱗の胴鎧】


・魔物素材の鎧。


・黒い土竜の鱗を用いて、50年前の名工クリエン・シュタールが作った胴鎧である。


・見た目より軽量、かつ頑丈。火への耐性がある。


・火属性のダメージ減少率、約5割。


・値段、27万リド。約2700万円。


・防御力、30。




(おお……)


 なんか、曰くつき装備。


 前の持ち主はオーク王で、その前は人族の英雄……?


 凄い、浪漫だ。


 胴鎧も、古い名品って感じだね。


 防御力が若干低めなのは、全身鎧じゃなくて胴体しか守らない鎧だからかな。


 でも、火属性5割カット。


 うん、素晴らしい。


(あ) 


 戦斧も重いのか、御者さん、ヨロヨロしてる。


 だ、大丈夫かな?


 アルタミナさんの武器は、戦斧と大剣、どちらもかなりの重量があるみたいだね。


 と、彼女が僕を見る。


「ほら、シンイチ君。亀に乗って」


「あ、はい」


 僕は、ハッとする。


(そうでした)


 今は、装備鑑賞よりも乗車しないとね。


 亀の甲羅はかなり高くて、階段付きの足台と座席から縄梯子が下がっている。


 それを利用し、


(んしょ)


 僕は、甲羅の座席に座る。


 わぁ……視界が高いや。


 座席は前後に2席ずつ、計4席。


 僕の前には、アルタミナさん、レイアさんが座り、僕とクレフィーンさんは後席に並んで座った。


 チラッ


 隣を見る。


 隣席の金髪の美女は、長い髪をサラリと揺らし、僕を見返した。


 微笑み、


「さぁ、暑い南国の旅が始まりますね」


 と、甘く囁く。


 う~ん、本当、美人さん。


 南国の強い日差しの中でも、彼女の白い美貌は輝き、見惚れてしまう。


 僕は目を細め、


「うん、ですね」


 と、笑顔を返した。

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― 新着の感想 ―
今回は3人の装備に関する情報が得られましたね。クレフィーンは自己修復機能を持つ武器と装備、レイアのは短剣以外は特注品、アルのは戦利品だったり名匠が作ったものと実用性を重視しつつ、それぞれの個性が出てい…
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