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Kick !!  作者: 安息香酸
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Round.9 ”決心 part.2”


<拓也・視点>


拓也「・・・・・・え?」


俺は先生の言っていることが理解できなかった。

試合?こんな・・・こんな俺が?

虐められて、おびえて、反抗も何も出来ない・・・俺が?


拓也「・・・何でですか?」


先生「あのリングの上にあがれば、お前は変わる。今の状況を打開できる。その確信があるからだ。」


・・・”変わる”、か・・・

変わりたい・・・今の状況を打開したい・・・

でも・・・格闘技を始めたのは・・・あいつらを”殺す”ため・・・

こんな俺が出たら・・・いけない。

”殺意”を・・・リングで出しそうで・・・いけない・・・

相手を・・・全く関係のない相手に・・・”殺意”をむけては・・・いけない・・・

だから・・・


拓也「・・・出れないですよ」


俺は断った。だが・・・


先生「何で出れない?」


先生は聞いてきた。


拓也「・・・わからないですか?」


先生「わからん」


先生がそういった後、俺は熱くなってしまった。


拓也「知らない人に・・・全く関係のない人に今自分が持っている”殺意”を向けてしまいそうだからですよ!!俺の”殺意”は今にも爆発しそうなんです!!それを他人にぶつけるなんてことはしたくない!!そんな勝手なことは出来ない!!それに何より・・・加害者になりたくない!!人を傷つけるようなことしたら俺は・・・イジメてるあいつらと同じになってしまう・・・そんなのは・・・そ、そんなのは・・・嫌だ・・・」


俺は自分の思っていることを全て話した。

そしたら涙が出てきた・・・なんで涙が出るのか・・・わからない・・・

でもその涙は止まらなかった。


先生「そんなの気にしなくていい」


先生は泣いてる俺にそういった。


拓也「気にしなくていいって・・・気にしますよ!!」


俺は思わず怒鳴ってしまった。でも先生は真剣に俺の目を見て言った。


先生「タッ君。お前は優しすぎる。でも・・・だからこそ苦しむ。その苦しみはみんながみんな味わうものじゃない。特にお前の歳ではな。普通は今のタッ君の状態までいったら・・・自殺するか、本当に殺す。テレビで最近良くやってるじゃないか。中高生が自殺とか殺人とか。でも・・・お前はしなかった。」


拓也「・・・」


先生「その時点でお前は強いんだよ。自分に勝ってるんだよ。でも・・・辛いよな・・・なんで自分が虐められるのか、ワケわかんないよな・・・」


拓也「・・・はい・・・」


俺は更に涙が出てきた。


先生「だから・・・リングに上がって見返してやれ。もっと強くなって・・・何も出来なくしてやれ。お前の強さを・・・”心”の強さを見せてやれ。」


拓也「・・・」


涙が・・・止まらない・・・


先生「殺意を振りまくのはいけないとか、そんなの心配しなくていい。スパーリングすればわかると思うけど、”やらなきゃやられる”んだ。殺意くらい持ってないと乗り越えられない世界だ。そしてみんな・・・格闘技をやってる人間はみんなそれを覚悟してやっている。」


拓也「・・・」


先生「この世界ではお前のその殺意は立派な武器だ。みんなはそれを練習して死ぬほど練習して手に入れる。なかなか殺意なんか持てないからな。でも・・・お前はもう持っているじゃないか。みんなが必死で手に入れるものを、持ってるじゃないか。あとはキックの”技”を身に付ければいいだけだ。」


拓也「・・・」


先生「確かに選手は練習も苦しくなる。でもお前は絶対乗り越えられる。俺について来い。食らいついてこい。絶対に・・・絶対に強くしてやる。俺が責任を持って、誰にも負けない最強の男にしてやる!!」


俺は涙が枯れる位泣いた。でも・・・まだ溢れてくる。泣いても泣いても・・・溢れてくる。

でも、コレはさっきまでの涙とは違う。

やっと・・・やっと自分の事をわかってくれる人に出会えた。しかも、こんな俺を・・・”責任を持って強くしてやる”って言ってくれている・・・だから、嬉しい・・・


拓也「・・・はい」


俺は決めた。


拓也「宜しく・・・お願いします。」


この人について行こう、と。

ど~も~!安息香酸でっす!!

次くらいからやっと格闘技小説っぽくなりそうッスよ~

イヤ~・・・ココまで長かった~・・・

・・・これから始まるのに長かったとかいちゃいけないッスよね^^;

頑張りますんで、どうか温かく見守って下さい。

では次回、また会いましょう!安息香酸でした~^^

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