Round.8 ”決心 part.1”
かなりハイペースで進みます&今回から視点が変わったりします
・・・申し訳ないです^^;
拓也が入会して、半年が過ぎた。
入会後、拓也は何かに取り付かれたかのように練習した。
そのかいあってか、拓也は既に基本の動きは全て終え、一人でシャドーボクシングをすることさえ出来るようになっていた。体重も-5kgでちょっと痩せて、それが目に見えてわかる。(まだまだデブだが・・・)
周囲はそれを見て「良く練習する子が入ったなぁ」と感心し、将来選手になった姿を期待する者がほとんどだった。
しかし、一人だけ違う見方をしている者がいた。
田村先生だ。
先生「(コレは・・・ちょっと異常だ)」
先生「タッ君!」
拓也「はい?」
先生「ちょっといいか?話がある」
拓也「(なんだろう?話って)」
拓也はいきなり先生に呼ばれ、話があると外に連れ出されていた。
先生「さて・・・この辺ならいいか」
連れてこられたのはお寺の裏にある、学校の体育館裏みたいなところだ。
先生「単刀直入に聞く。タッ君、何をそんなに怯えている?」
拓也「え・・・」
拓也は・・・心を見透かされた気がした。
<先生・視点>
拓也「・・・どういうことです?」
タッ君が聞いてきた。外が暗くて顔は見れないが・・・
俺は続けた。
先生「お前、普段の目と練習中の目が全く違う。別人みたいだ。そしてその目は・・・楽しんでるわけではない。何かに怯えている目だ。そしてその恐怖から逃れようと練習している。異常なまでにな。周囲は努力家だと思っているようだが・・・俺の目はごまかせないぞ。」
拓也「・・・」
先生「ここからは俺の推測だ。あくまで今までの経験から考えたものだから、間違えてたらスマン。タッ君・・・虐められているな?」
こうは言ったが、俺は確信に近いものを感じている。
この目は見たことがある。
いや、見たことがある、じゃないな。
俺も”同じ目をしていた”ことがある。
だから・・・わかる。
拓也「・・・・・・・・・・・・はい。そうです。俺は・・・お、俺は・・・」
タッ君は涙をこぼし始めた。
この涙の意味も・・・わかる。この涙は悲しい涙じゃない。
おそらくタッ君は・・・このことを誰にも話さずにいたのだろう。
なぜか?
自分のプライドが許さなかったのだ・・・・・・虐められてるのを認めること、そしてこれを誰かに知られることを。
それを認めざるを得なくなった。そして知られてしまった。
だから・・・悔しいのだ。
拓也「・・・お、俺は・・・虐められて・・・怖くて・・・でも誰にも・・・知られたくなくて・・・内緒にしてたら・・・殺意まで・・・出てきて・・・だから格闘技を・・・やって・・・やり返そうとして・・・で、でも・・・そ、そんな自分が・・・本当はイヤで・・・」
タッ君の考える事は・・・全てわかるような気がする。
もちろん完璧に理解することは出来ない。でも・・・
拓也「なんども・・・この気持ちを消そうとして・・・でも・・・消えなくて・・・」
先生「・・・消さなくていい」
拓也「えっ?」
俺は道を示したい。苦しんでいるタッ君に・・・
先生「それは消そうとして消えるものじゃない・・・時間が解決するのを待つしかないんだ。何年かかるかわからない。でも・・・待つしかないんだ。」
拓也「で、でも・・・もう爆発しそうで・・・ほ、ホントに・・・殺してしまいそうで・・・」
俺が今から言うのは、イバラの道だろう。でも・・・コイツなら必ず乗り越えられる。
先生「・・・タッ君。」
そして、タッ君自身が変わる事ができる。
拓也「・・・はい・・・?」
だから・・・俺は言った。
先生「試合に出てみないか?」
早く拓也を試合に出したい!!
という思いから、かなりハイペースに・・・orz
1度試合に出したら落ち着きますから!!
・・・申し訳ないです・・・