Round.14 ”デビュー戦 part.1”
第1試合が始まって数分後・・・拓也は控え室(体育館2階)にいた。
既に試合前の準備は完了し、あとは自分の出番が回ってくるのを待つだけだ。
ちなみに、今控え室には拓也と先生しかいない。拓也の試合は丁度半分の第9試合。その後、30分の休憩がある。そのため、後半に出る選手やそのトレーナーのほとんどはかなり時間を持て余すため、前半の人の試合を見ているのだ。
そんな中、拓也と先生はお互い何も話さず、ただその時が来るのを待っていた。
先生「そろそろだから、アップしとこうか」
拓也「・・・はい」
そう答えた拓也は、普段とは違う顔をしている。
今まで道場の人以外に見せたことのない顔・・・コレが一人の”キックボクサー”としての拓也の顔だった。
ミットを叩く音が控え室に響く。調子は悪くない。むしろかなり良く仕上がっている・・・
その時・・・
「第9試合の小林選手、試合が次ですので出てこれるように準備をお願いします」
拓也の出番がやってきた。
アナウンス『これより、第9試合を行ないます。赤コーナー、丸山 圭輔選手。川島キックボクシングクラブ所属。戦績10戦9勝1分け。青コーナー、小林 拓也選手。闘我道場所属。初戦。』
アナウンスの声がしたとき、拓也はすでにリングに上がっていた。当然相手も上がっている。
拓也にとって初めて上がるリング。そこは、他にはない独得の雰囲気に包まれている。
格闘技をやっている人が初めて味わうこの空気・・・大抵はこの空気に飲まれてしまうものだ。
しかし、拓也は自分でもビックリするほど落ち着いていた。もちろん心臓がバクバクして緊張はしているが、思ったほどでもない。
拓也「(いける・・・)」
拓也はそう思っていた。
先生「いいか、相手は強い。でもお前は誰にも負けない程この半年努力した。こんなに努力したヤツはこの大会にはいないだろう。もちろんあの相手も含めてだ。」
拓也「はい!」
先生「教えたこと全部出し切ってこい!」
拓也「はい!!」
その頃、青コーナーでは・・・
丸山「デビュー戦の相手が俺って・・・かわいそうだねぇ」
トレーナー「いいか。相手が新人だからといって手加減するな。全力で”潰せ”」
丸山「了解~♪」
そして・・・・・・
審判「それでは始めます。第9試合・・・Round.1、Fight!!」
”カーン”
試合開始のゴングが鳴った。
次だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
とうとう書けるぞぉ、夢にまで見た試合風景・・・・・・(リアルに見ました^^;)
あ、挨拶遅れました。
どうも、安息香酸です~♪
とは言ってもこれ以上書くことないし・・・
次回、またお会いしましょう^^;