Round.12 ”デビュー戦直前”
前の話からさらに2週間後・・・
とうとう・・・デビュー戦の日がやってきた。
とはいっても、拓也は昼の12時まで終業式がある。
終業式の後に試合があるのだ。
今日の大まかな予定はこうだ。
・~12:00 終業式
・12:30~ 計量(体重測定みたいなもの)・体調チェック
・13:00~ 対戦相手発表
・15:00~ 試合開始
試合は今回18試合あり、拓也は第9試合。丁度真ん中だ。
その拓也はというと・・・
拓也「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すっかり緊張しきっていた・・・大丈夫なのか?
今はもう校長の話も終わり、各クラスに戻ってホームルームをする時間帯だ。
しかし担任の先生がまだ来ていないため、クラスは動物園のようににぎわっているが・・・
前田「よう、拓也く~ん。元気かい?」
そんな中、前田と数人の男子が話しかけてきた。坂本も後ろのほうにいる。
前田「今日なんかウチの体育館で格闘技の大会があるみたいじゃねぇか?拓也出てみたらどうだ?いっぱい殴られて気持ちいいんじゃねぇのかぁ?」
坂本「本物に殴られてこいよ。俺らしっかり見届けてやるからよぉ」
「ぎゃははあはははははははははは」
拓也「・・・・・・」
拓也は普段なら心の中で”殺意”を押えるので精一杯だろう。
しかし・・・今日は違った。そんな余裕もないくらい緊張していた。
だから・・・押えていたものが少し出てしまった。
拓也「・・・うっせえよ」
拓也がそういうと笑っていた連中は黙り込んだ。
いや・・・そいつらだけじゃなく、クラス全体が黙り込んで拓也に注目していた。
前田「あ?なんだよ?そんな口利いてどうなるか・・・」
前田が言い返すが・・・
拓也「黙れ。殺すぞ」
それを遮って拓也が言い返した。
その瞬間、前田は・・・いや、前田だけでなくクラス全体が恐怖に襲われた。正体不明の恐怖・・・イジメられているヤツから出た、この今までに味わったことのない感じ・・・拓也のほんの少しの”殺気”であった・・・
前田「なっ・・・」
その”殺意”を正面から向けられている前田は声が出なかった。
それは他のクラスメイトも同じだ。
彼らは今まで”弱者”だと思っていたヤツに・・・明らかな”恐怖”を抱いていた。
担任「遅れてごめ~ん、配るプリントとか資料とかが見つからなくて・・・。さ、ホームルームを・・・・・・・・・・・・どうしたの?」
担任の女教師(今年新任の23歳)がやってきてクラスの雰囲気を感じ取ったが・・・
拓也「なんでもないですよ。ホームルーム始めましょう」
担任「あ・・・そうね。よし、全員席について~」
担任がそういうと、みんな自分の席についた。
こうしてホームルームが始まった・・・
その頃、先生は既に学校についていた。今回の大会に出る拓也の先輩も一緒だ。
藤谷「先生・・・」
先生「どうした、藤谷?」
久しぶりだと思うが、拓也が始めて会った先輩、藤谷 健吾(23)だ。
彼は今回の試合に出ることになっていた。
そして彼は・・・拓也の”殺気”に押されてもやめなかった数少ない人物だ。
藤谷「タッ君・・・今回出して大丈夫なんでしょうか?その・・・相手が」
先生「確かに・・・下手な相手だと本当に”壊して”しまう。だから一応、大森会長には言っておいたが・・・どこまでの相手とぶつけてもらえるか・・・」
担任「じゃあ、ホームルームを終わります。掃除係の人はちゃんと掃除して帰って下さいね。」
担任がそういうと、みんな立って机を後に下げ始めた。みんな・・・拓也の方をチラチラ見ている。
その拓也は・・・後悔していた。
拓也「(あと少しガマンすればよかったのに・・・なんか変な感じで見られてるし・・・)」
拓也「はぁ・・・」
拓也がため息をついていたとき・・・
担任「あ、そうそう。言い忘れてたけど・・・今日体育館でキックボクシングかなんかの大会があるの、みんな知っているわよね?」
担任がいきなり言い始めた。
拓也は冷や汗をかいていた。
拓也「(ま、まさか・・・)」
担任「ウチのクラスの拓也くんが出るみたいだし、みんなで応援しに行きましょう。クラスメイトの頑張りは応援しないとね!!」
悪い予感が・・・的中してしまった・・・
どうも~安息香酸です~!!
なんか・・・なかなか試合まで進みません・・・
次くらいには始まると思うんですが・・・正直、わかりません^^;
ま、頑張って書きます!!
ではまた次回、お会いしましょう~^^