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Kick !!  作者: 安息香酸
10/18

Round.10 ”地獄練習”

あれから、泣いてグシャグシャになった顔を先輩達に見せるわけにもいかず、かといって練習時間もそれほど残っていなかった為・・・


先生「タッ君。今日は帰っていいぞ。残り時間も少ないし、色々疲れただろうからな。」


帰ることになった。拓也も色々ありすぎて疲れていたため(イジメ告白とか試合出場決心とか)、丁度よかった。


拓也「じゃあ、そうします。すみません・・・」


先生「そのかわり、次の練習からはビシバシいくからな!!もうすぐ冬休みだろ?」


拓也「は、はい!!」


そう、冬休みも近い。

だから・・・


先生「てか寒いな・・・」


拓也「そ、そうですね・・・」


季節は冬、月は12月・・・非常に寒い


先生「戻るか・・・」


拓也「はい・・・」


2人はすっかり凍えていた










次の日・・・今日は学校が終業式だ。

この日・・・節目になるような日だけは、拓也はちゃんと学校に行っている(正確には母親に行かされている)。


拓也「はぁ・・・」


なので拓也は非常に憂鬱である。本当は来たくないからだ。


前田「お、やぁっときたのかぁ、拓也く~ん(笑)」


坂本「俺らストレス溜まっちゃったじゃね~かよ~」


・・・こいつらがいるから。


覚えているだろうか?イジメっ子である。作者も忘れていたので、たぶん誰も覚えていないだろう。


前田「つっても今日俺ら部活だからなぁ~、相手できねぇよ~」


いっておくが、この”相手”はイジめることである。


坂本「まぁ、休み明けまで我慢してやるよ。その代わり休み明けにはタップリ相手にしてやるよ」


前田&坂本「ぎゃはははははははははは」


拓也「・・・」


拓也は正直、今にでも殺意が爆発しそうだ。でも、ガマンしている・・・


前田「じゃ、そろそろ先生来るし退散するか。じゃあな、ドMの拓也く~ん(笑)」


そういって前田と坂本は自分の席に戻っていった。


拓也「(・・・あいつら殴れたらどんなに楽だろう・・・)」


拓也は必死に自分の殺意と闘っていた。











終業式後、部活もしていないのですぐに練習に向かった。


拓也「こんにちは~」


先生「お、タッ君きたか」


中に入ったら、すぐ先生が話しかけてきた。


先生「今日からホントに厳しくなるぞ。覚悟はいいか?」


拓也「はい!宜しくお願いします!!」


先生「よし!じゃあすぐに着替えてこい!早速やるぞ!!!」


拓也「はい!!」











そこからは本当に厳しかった。

毎日近くの山を何往復も走った。筋トレもメチャやった。

毎日格上の先輩と何ラウンドもスパーリングをした。何度もダウンした。何度もボコボコにされた。ローキックを蹴られすぎて足が腫れ、何度も足を引きずって帰った。

厳しすぎて何度も吐いた。スパーリングで相手が怖くて何度も泣いた。

でも・・・食らいついていった。途中で絶対に音を上げなかった。1度も休まなかった。

練習量は先輩たちを超えた・・・拓也は道場一練習する男になった。


それは休みが明けてもだった。


休みが明けて拓也は学校に行くと、やはり放課後にはイジメられた。殴られた。蹴られた。色々な言

葉で罵られた。反撃出来ず、やられるがままだった。”心”は毎日傷つき、何度も引きこもって一人で泣きたくなった。


でも、休まず練習には行った。涙は練習でしか見せなかった。

毎日地獄のような練習を拓也はやり抜いていった。


そして、それから半年・・・

月は6月、拓也がキックボクシングを始めて1年が経ったころ・・・


先生「タッ君。」


拓也「はい?」


先生「デビュー戦の日程、決まったぞ」


初試合の日程が決まった・・・


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