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Kick !!  作者: 安息香酸
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Round.1 ”イジメ”

あるところに、イジメを受けている少年がいた。


”小林 拓也”


有名進学校に通う中学生である。




イジメが始まったのは、中学校に入学して2ヶ月ほど経ってからだった。

身長170センチ体重80キロと、縦もデカイが横も充分デカイ。オマケに気が弱く、人に悪口を言われても、暴力を振るわれても、やり返すことはほとんどない。

そんな拓也が、イジメにのターゲットになるのにそれほど時間はかからなかった・・・。




ある日のこと・・・

???「おい、デブ」

拓也「えっ?」

???「お前だよ、お・ま・え!」

拓也「あ、前田・・・」


ある日の放課後、ほとんどのヤツが帰った中で前田が教室で暴言とともに話しかけてきた。


拓也「何?」

前田「何、じゃねえよ。」


そういうと前田は拓也を強く蹴った。蹴られた拓也は痛みにうずくまった。前田はサッカー部なので、キック力はかなり強いのである。


拓也「グッ!!」

前田「お前ウジウジしやがって。ムカつくんだよ。」

拓也「ゴ、ゴメン・・・」

前田「ゴメンじゃねぇ・・・よ!!」

拓也「がぁ!!」

???「何やってんの、前田?」

前田「おお、坂本か。このデブ、シバいてたところだよ」

坂本「ストレス発散ってか?面白そうだな。俺も混ぜろよ」

前田「オッケイ。てか、何人か呼んでこいよ。おもしろい事は共有しねぇと」

坂本「そうだな。じゃ、呼んでくるわ」


二人はニヤリと笑い、前田は拓也をさらに蹴り続けた。

数分後には坂本が3人ほど連れてきて、5人での『リンチ』が始まった・・・。






15分後・・・


拓也は5人に蹴られてボロボロであった。


「この位にしとこうぜ。キズとかでバレて問題になっても困るし」

「そうだな」


誰かがそう言ったところで、やっと”リンチ”は終わった。

彼らは目立たないような、腕や腹、脚などの服に隠れるような場所を中心に蹴りつづけていた。なので、見た目には特に目立った怪我は見当たらない・・・。しかし狙ったところに全て蹴れる訳もなく、少しずつ怪我が目立ってきたのだ。


前田「いいか、このことは誰にも言うんじゃねぇぞ?もし言ったら許さねぇからな?」

坂本「チクらねぇよ、こいつは。むしろ俺らと仲良くなれて喜んでるんじゃねぇの?」

前田「それもそうだな!」


『ぎゃはははははは!!』


その場にいた全員(拓也除く)が楽しそうに笑った。


坂本「じゃーな、デブ」

前田「また遊んでやるよ」


そういって5人は帰っていった。


この日から、拓也にとっての地獄が始まった・・・。

次の日も放課後に同じ事をされた。次の日も、その次の日も・・・。そして日に日にその人数は増えていった。しばらくすると、言葉の暴力も始まった。授業中にも、”デブ”とか”ブタ”とか・・・なかには、”ドM”と言うやつもいた。拓也が抵抗しないのを見て、「こいつ実は喜んでんじゃねぇの?」と言い出したのだ。


「オラッ、気持ちいいんだろ?お前」

「もっと遊んでやるよ!!」


『ぎゃはははははははははははははははははは!!』


そんな日が何日も、何日も続いた。しかし拓也は誰にも話さなかった。誰にも相談しなかった。


拓也「(自分の事だ・・・他の人に迷惑はかけられない・・・)」


そう思い、助けを求める気持ちを打ち消してきた。

その代わり、拓也は学校を休みがちになった。”不登校”って程ではないが、月に4、5回は休んだ。


そんな日が続くなか、拓也の心の中でドス黒い感情が芽生え始めた。

そしてそれは表に出ることなく、ゆっくりと、しかし確実に大きく育っていっていた・・・。

はじめまして!

安息香酸です!!名前の由来は高校の化学の教科書で偶然見つけました(笑)

初めての小説なんで至らぬ点も多いでしょうが、よろしくお願いします!!

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