表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/61

聖女のいる日々

 その日の夜、魔王様は私をねぎらってくださった。二人で酒瓶を開け、食事を囲む。ひどく久しぶりのことだった。


「くっくっく。今日はご苦労だったな。付け加え、最近はずっとライザの面倒を見てもらった。礼を言うぞ」


「私の苦労などたかが知れています。魔王様はあの娘に、かなり気を配っていらっしゃるようですから」


「ライザは色々とあるからな。だが、そなたと出会いたての頃も、かなり世話を焼いた気がするぞ」


「そ、それは別の話です。付け加え、ライザにだけ名前呼びを許すなど、特別扱いがすぎはしませんか?」


「くっくっく。まあ、それには個人的な事情があってな。だとして、そなたには、魔王と呼んでいてほしいのだ。初めて我をそう認め、そして呼んでもらえた時、我は本当に嬉しかったのだからな」


「もちろん、そう呼ばせていただきますよ。そして、私がそうお呼びするのは、生涯かけて、あなた様だけです」


「それにしても、懐かしいな。そなた、出会って間もない頃は、我のことを何と呼んでいたか覚えて……」


「や、やめてください! 恥ずかしい過去の話は!」


 その時、

「こんばんは! 丸焼きを一人で食べるのは流石に申し訳なくて、おすそ分けに来ました。ご一緒させてください」

と、巨大な皿を運んで、ライザがやってきた。


 そして、あっという間に三人での饗宴が始まった。ライザは早速食べ物できまってるし、騒がしいことこの上ない。せっかくの魔王様との時間を邪魔するなど、やはりこの娘は——


「私が乱入するのって、いつもと逆で、これはこれでいいですね。いやー、来て良かったです。なんだかんだ、お二人とご一緒するのが、一番賑やかで楽しいと思うんです」


「くっくっく。確かに楽しいな。そうであろう、ザイン?」


「……そうですね」


 この娘のいる生活も、案外、私は気に入っているのかもしれない。


「ところでザインさん、恥ずかしい過去って何ですか? 昔、何しちゃったんですか? 教えてくださいよ!」


 前言を撤回する。


「あまり調子に乗るなよ、このがんぎまりが……!」

四章が終わりました! 明日から、第五章になります。新しいレギュラーキャラが登場する予定です! 実は前の回でにおわせ発言(?)もあり…...。ぜひお楽しみに待っていただけると嬉しいです。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました! 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
楽しかった〜! 特になしさんの筆が早くて、この小説を読める私は本当に幸せ者です。次の章もわくわくして待っています!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ