自転車どろぼうの哲学
テーマ:自転車泥棒の哲学
私の自転車が盗まれた。いや、正確には「私の自転車が行方不明になった」と表現すべきかもしれない。だって、誰かが私の自転車を持って行ったのか、それとも自転車自身が「自由になりたい!」と決心したのか、今となっては謎でしかない。私はただ、地面に置かれていたあの自転車が突然いなくなった瞬間を、ポカンと見守ることしかできなかった。
泥棒の心の奥深さ
まず、盗む側の心理を深掘りしてみよう。自転車を盗む人、彼らは一体どんな思いで私の自転車を選んだのか。確かに、私の自転車は完璧だった。サドルのクッションがちょっとだけへこんでて、シートポストに謎の傷があった。これはまさに「完璧な選ばれし者」。盗みたくなる理由もわからなくもない。でも、他の自転車が何台も並んでいたのに、どうして私のを?
もしかして、泥棒には「これがいい!」というインスピレーションが降りてくるのか?まるで、選ばれし者のように。この自転車に込められた神秘的なオーラが、他の自転車を圧倒していたのかもしれない。泥棒もまた、「この自転車は僕の運命だ!」と思ったのだろう。彼の中の「自転車オーラセンサー」がピンと来たのでしょう、きっと。
防犯対策の闇
もちろん、私は防犯対策をしていた。100円ショップで買った、超クールなワイヤー鍵をしっかりとつけていた。でも考えてみてほしい。この鍵が、本当に私の大切な自転車を守れると信じていた私は、どれだけ甘かったのか。
100円で命を守れると思った私が悪いのか。次回は150円の鍵を買うべきだったのか、それとも、次は自転車自体を泥棒に売り渡し、ついでに自転車を「新しいオーナーに渡したい」という気持ちで別れを告げるべきだったのか。それとも、もっと高価な鍵を買って、泥棒の目を引きながらも「こっちはケチじゃないんだぞ!」とアピールすべきだったのか。
やっぱり、次は1000円の鍵だな。
警察とのやりとり
警察に届け出を出したとき、「盗まれた自転車の特徴を教えてください」と言われて、しばらく固まった。私、色も型番もタイヤの大きさも、シートのクッションの状態さえも覚えていなかったのだ。まさか自転車のことをここまで忘れるとは。私の記憶力はまるで「いなくなった自転車の特徴」がファイルされていない状態のようだった。
「どんな自転車でしたか?」と警察官に問われ、「うーん、サドルが少しクタっとしてて…」と曖昧な答えをしていると、警察官の顔が明らかに「あぁ、またか」っていう感じになった。
自転車と人生の関係
結局、私が学んだことは、「自転車とは人生そのもの」だということ。盗まれることもあれば、勝手にどこかへ行ってしまうこともある。防犯対策をしていても、運命には勝てない。だからこそ、今後はもっと自転車に愛を込めようと思う。次回からは、鍵をかけるだけじゃなく、「君がいてくれるだけでいいんだよ!」と語りかけながら、乗ることに決めた。
そして、次に盗まれたら、逆に「ありがとう、自由になったんだね!」と手を振って送り出そうと思う。その時、私はきっと、自転車がどこか遠くへ行って、無事に新しいオーナーに愛されていることを祈るだろう。