表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ボタニカル

きんもくせい

作者: あいなめ

木立に身を寄せると

きんもくせいが香ってきました

小さな橙の花が咲く

そんな季節になりました


その香りは遠くまで届き

時には果たしてどこから香るのか

探してみたとしても

見つからないこともあります


あるいは並べて植えられた

何本ものきんもくせいに

ついた多くの花々がその存在を強く

香らせていることもあります


きんもくせいで思い出すのは

昔々の学校の授業

それは入学したばかりの

一年生の秋のこと


クラス中が先生に連れられて

学校の外まで出かけて行って

きんもくせいの木の下で

落ちている花を拾ったのでした


それを教室に持ち帰り

画用紙の上にきれいに並べ

二つ折りして挟み込み

上から圧を掛けるのです


きんもくせいの花の汁が

見開きの模様を形作り

そしてなお増す花の香りが

教室に漂ったものです


香りは記憶を呼び覚ます

今年もまたきんもくせいの香りで

そんな昔々の出来事を

ふと思い出したりするのです

今はもうそう簡単に学校の外に出かけていく、という事は無いでしょうねえ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ